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魔風恋風 前篇 (岩波文庫 緑 114-1)
明治三十年代、尾崎紅葉亡きあと、読売新聞に連載されて好評を博した通俗小説である。小杉天外は、昭和戦後まで生きて、芸術院会員にまでなったが、これがまあ生き残った作ということになろう。
颯爽と自転車に乗って登場する女学生萩原初野の恋愛絵巻だが、これが意外に古臭くなくて、読めばそれなりに面白い。当時はこんな家庭小説がたくさん新聞に連載されたものだ。
颯爽と自転車に乗って登場する女学生萩原初野の恋愛絵巻だが、これが意外に古臭くなくて、読めばそれなりに面白い。当時はこんな家庭小説がたくさん新聞に連載されたものだ。
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魔風恋風 後篇 (岩波文庫 緑 114-2)
経済的苦労・病気(肺病かと思いきや脚気とは何とも色っぽくない)・恋と友情の板挟み・子爵家に睨まれたりなど…
このような度重なる不幸に、この下巻の後半ぐらいなって、いままでずっと清く正しかった主人公、萩原初野の心に、やっと悪魔的な要素がちらりと陰をさします。
そして読者が「あれあれ、そろそろ残り数十ページだというのに、一体どうやって話を終結させるつもりなのか」と気を揉み、最後の数頁で「まあだいたい大団円は予想ついたな。初野はこの男と結婚して…」と安心し、ついに最期の一頁をめくったところで、「え゛…」と仰天する、あっけない終焉。
新聞小説だっただけあって、テンポもよいし、ゾラもびっくりのこうした乱暴な展開が魅力です。更にいうと、たとえシリアスな濡れ場であっても、旧字体の漢字に混じって「初野様、ぢやア、僕のデザイアは許諾(いれ)られたのですねえ」と濫用されるカタカナ英語もいい雰囲気出しています。
このような度重なる不幸に、この下巻の後半ぐらいなって、いままでずっと清く正しかった主人公、萩原初野の心に、やっと悪魔的な要素がちらりと陰をさします。
そして読者が「あれあれ、そろそろ残り数十ページだというのに、一体どうやって話を終結させるつもりなのか」と気を揉み、最後の数頁で「まあだいたい大団円は予想ついたな。初野はこの男と結婚して…」と安心し、ついに最期の一頁をめくったところで、「え゛…」と仰天する、あっけない終焉。
新聞小説だっただけあって、テンポもよいし、ゾラもびっくりのこうした乱暴な展開が魅力です。更にいうと、たとえシリアスな濡れ場であっても、旧字体の漢字に混じって「初野様、ぢやア、僕のデザイアは許諾(いれ)られたのですねえ」と濫用されるカタカナ英語もいい雰囲気出しています。
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天外魔境 風雲!カブキ伝
ゲーム自体、かなり前の作品になりますが、曲全体に田中公平さんのエネルギッシュなパワーを感じます。和と洋が合わさった見事な曲の数々はさすがだと思います。今でも、TV番組のBGMとして耳にする機会が多いのは、凄い事です!このサントラの中には、ゲーム本編でもかなりインパクトのあった、ボス達の歌がフルコーラスで収録されています。改めて聴いてみると、歌詞も曲もそれぞれの性格にあった内容になっており、製作者の方達の意気込みを感じました。このサントラを聴くと再び、カブキ伝がプレイしたくなりますよ!(^^)