ア・ルース・ボーイ (新潮文庫)
仙台の有名進学校(仙台一高がモデル)に通う高校生が学校を中退。中学時代の彼女と,彼女が産んだ赤ん坊を狭いアパートにかくまい,仕事を覚えながら現実を見据え,徐々に前を向くようになるという物語。
この物語,クライマックスらしいクライマックスがありません。いや,もちろんあるんですが,物語全体におけるポイントはそんなに大きく無いと思います。起承転結ならぬ,起転承結。主人公がふとしたきっかけから電気工見習いとして踏み出すあたりが,読んでいて一番,主人公がカッコよく見えました。
「起転承結」と書きましたが,ガテンな世界で成長して行く日々が,作者自らその経験もあるだけにリアルに語られます。その過程が,いわば長いクライマックスなのかもしれません。そして最後に,彼の成長がある形で結実します。
この物語,クライマックスらしいクライマックスがありません。いや,もちろんあるんですが,物語全体におけるポイントはそんなに大きく無いと思います。起承転結ならぬ,起転承結。主人公がふとしたきっかけから電気工見習いとして踏み出すあたりが,読んでいて一番,主人公がカッコよく見えました。
「起転承結」と書きましたが,ガテンな世界で成長して行く日々が,作者自らその経験もあるだけにリアルに語られます。その過程が,いわば長いクライマックスなのかもしれません。そして最後に,彼の成長がある形で結実します。