いま中国で起きている大破局の真相: 現地からの緊急警告 (一般書)
日本の報道だけを見ていると「着々と実力を蓄え強大化する一方の中国が、世界の覇権を狙っている」という印象になりがちだ。
日本人は社会に秩序があることが当然だと思っている節があり、国情が異なることを頭では理解していても、実情を目の当たりにしなければ、中国がどれだけ自国とかけ離れた社会であるのかを実感するのは難しい。
GDPや軍事予算といった比較しやすい数字だけを眺めれば、確かに「日本を凌駕しつつある強大な国」であるように映るが、それが拠って立つ社会のシステムは極めて脆弱である。
「中国恐るに足らず」ではなく、条件反射的に脅威としてとらえる前に、まずは背景にある不安定な社会の危うさを勘定に入れる必要があるだろう。
中国が国内にどれだけ根深い問題を抱え、喘ぎ、もがいているかを思い知らされる。
経済成長の鈍化、役人腐敗(本書で非常に生々しく描写されている)、環境汚染等、中国社会が抱える諸問題について、数多くの報道や資料から解説されており、知識を新たにすることができた。
国家予算が機密になっているという一点だけでも、この国で政治というものがいかに国民から遠く離れたところにあるのかが見て取れるだろう。
中国政府は、外国だけでなく、国内に抱えた十数億の人民とも対峙しているのである。
ただし、本書で数ページが割かれている「中国語が中国人の思考を歪めた」という主張については賛同しかねる。
言語が先か、思考が先か、簡単に答えの出る問題ではないだろう。今後のより綿密な検証を待ちたい。
日本人は社会に秩序があることが当然だと思っている節があり、国情が異なることを頭では理解していても、実情を目の当たりにしなければ、中国がどれだけ自国とかけ離れた社会であるのかを実感するのは難しい。
GDPや軍事予算といった比較しやすい数字だけを眺めれば、確かに「日本を凌駕しつつある強大な国」であるように映るが、それが拠って立つ社会のシステムは極めて脆弱である。
「中国恐るに足らず」ではなく、条件反射的に脅威としてとらえる前に、まずは背景にある不安定な社会の危うさを勘定に入れる必要があるだろう。
中国が国内にどれだけ根深い問題を抱え、喘ぎ、もがいているかを思い知らされる。
経済成長の鈍化、役人腐敗(本書で非常に生々しく描写されている)、環境汚染等、中国社会が抱える諸問題について、数多くの報道や資料から解説されており、知識を新たにすることができた。
国家予算が機密になっているという一点だけでも、この国で政治というものがいかに国民から遠く離れたところにあるのかが見て取れるだろう。
中国政府は、外国だけでなく、国内に抱えた十数億の人民とも対峙しているのである。
ただし、本書で数ページが割かれている「中国語が中国人の思考を歪めた」という主張については賛同しかねる。
言語が先か、思考が先か、簡単に答えの出る問題ではないだろう。今後のより綿密な検証を待ちたい。