未来世紀ブラジル [Blu-ray]
1980年代、SFサイバーパンク映画が量産された。
そのほとんどは二度観なくても良いものだったが、本作と「ブレラン」は違った。
内容は全く違うものだが、どこか未来を暗澹とさせる「カオス」を作り出すことで、
この両作品は際立った。
ブラジルは最初観た時からあの「テーマ」が頭から離れず、時々あの陽気な
スコアが脳内で流れだす(笑)。
順序は「ブレラン」の方が先だが、それを真似た嫌いは一切ないのに、どこか
暗い未来を描きだす・・・。
古くは「メトロポリス」や「モダンタイムス」も同様のテーマ性を持っていたが、
実際の世界も「レトロ」でこそないが、これらの「情報統制社会」が実現しているのが
恐ろしい。
もともと本作はイギリス映画だ。「モンティパイソン」ばりに大笑い出来るシーンも
多くあるが、あのラストには驚かされたものだった。
これが賛否両論で、アメリカの配給を手掛けた20世紀FOXとユニヴァーサルで
結論が違うバージョンが出来る始末になった。
T・ギリアムは「トラブルメーカー」としても知られるが、O・ウェルズらに比べれば
大人しいものだ。大学出のインテリに乗っ取られたハリウッドのエグゼクティブたちと
意見が合わないだけだろう。
昔のハリウッドもパインウッドも、日本の活動写真だって「博打打ち」の世界だった。
この傑作がHD化されるのは大変喜ばしいことで、VFXの場面に粗い場面はあるものの
概ね1985年の作品としては上出来なレストアだと思う。
ただ、特典映像の新録がないのが残念。SDでのメイキングは30分だが、これは撮影時
に収録されたものである。
星は文句なく5つだが、新しいメイキングがあればもっとよかった。
そのほとんどは二度観なくても良いものだったが、本作と「ブレラン」は違った。
内容は全く違うものだが、どこか未来を暗澹とさせる「カオス」を作り出すことで、
この両作品は際立った。
ブラジルは最初観た時からあの「テーマ」が頭から離れず、時々あの陽気な
スコアが脳内で流れだす(笑)。
順序は「ブレラン」の方が先だが、それを真似た嫌いは一切ないのに、どこか
暗い未来を描きだす・・・。
古くは「メトロポリス」や「モダンタイムス」も同様のテーマ性を持っていたが、
実際の世界も「レトロ」でこそないが、これらの「情報統制社会」が実現しているのが
恐ろしい。
もともと本作はイギリス映画だ。「モンティパイソン」ばりに大笑い出来るシーンも
多くあるが、あのラストには驚かされたものだった。
これが賛否両論で、アメリカの配給を手掛けた20世紀FOXとユニヴァーサルで
結論が違うバージョンが出来る始末になった。
T・ギリアムは「トラブルメーカー」としても知られるが、O・ウェルズらに比べれば
大人しいものだ。大学出のインテリに乗っ取られたハリウッドのエグゼクティブたちと
意見が合わないだけだろう。
昔のハリウッドもパインウッドも、日本の活動写真だって「博打打ち」の世界だった。
この傑作がHD化されるのは大変喜ばしいことで、VFXの場面に粗い場面はあるものの
概ね1985年の作品としては上出来なレストアだと思う。
ただ、特典映像の新録がないのが残念。SDでのメイキングは30分だが、これは撮影時
に収録されたものである。
星は文句なく5つだが、新しいメイキングがあればもっとよかった。
未来世紀ブラジル【字幕ワイド版】 [VHS]
(2012.9.21追記)
2012年12月に北米クライテリオン社より
『未来世紀ブラジル』コレクターズBDが発売されることが決定したので、
現在手に入る本作のBD/DVDソフトの違いについて記しておきます。
国内盤DVD(ジェネオン)
本編:143分インターナショナル版(日本劇場公開版)
音声:英語リニアPCM 2.0ch
特典:メイキング”What is Brazil?”、予告編
国内盤BD(フォックス)
本編:144分ディレクターズ・カット版
音声:英語DTS-HDMA 2.0ch、日本語DTSステレオ(TV放送版、カット有)
特典:メイキング”What is Brazil?”、予告編
北米盤BD(ユニバーサル)
本編:132分US劇場公開版
音声:英語DTS-HDMA 5.1ch
特典:なし
北米盤(クライテリオン)
本編:142分ディレクターズ・カット版(国内盤BDと同内容。ギリアム監修の修復マスター使用)
音声:英語DTS-HDMA 2.0ch
特典:94分ハッピーエンド版本編、テリー・ギリアム監督による本編コメンタリー、
メイキング”What is Brazil?”、ドキュメンタリー”Battle of Brazil”、
脚本についてのドキュメンタリー、ギリアムによるストーリーボード、
ドキュメンタリー集:プロダクション・デザインと特殊効果について/
衣裳について/音楽について、予告編、解説書
(以下、オリジナルのレビュー)
本作には大まかに言って、
ヨーロッパおよび日本で劇場公開された144分版と、
米ユニバーサル社のM・シャインバーグが結末などに改変を施した94分の
「最後に愛は勝つ(Love Conquers All)」バージョン、
そしてアメリカ公開用にギリアム監督が再編集を行った132分のUS公開版の
3つのバージョンが存在します。
このブルーレイに収録されているのは、基本的には144分版をもとにし、
オープニングのみギリアム自身が「オリジナルよりも良い」と認めているUS公開版のもの
(元は黒地にテロップなのに対し、雲の上を飛ぶ映像が入る)に差し替えたバージョンです。
北米クライテリオン社のDVDでは、この版をファイナル・カットとして収録しています。
一方、現在北米ユニバーサルから発売されているBDに収録されているのは
132分のUS公開版であり、特典も皆無。
それに比べれば、完全版の本編に加えて30分のメイキング”What is Brazil?”と予告編
(国内盤2枚組DVDに収録されていたものと同内容)
も収めた国内盤は、良心的なリリースであると言っていいと思います。
クライテリオンの3枚組DVD-BOXに収録されていたさらなる特典
(「バトル・オブ・ブラジル」ドキュメンタリーなど)や94分バージョン
も収めてくれていればさらに完璧でしたが、
それはクライテリオンからのBDリリースを待つしかないでしょう。
基本的に、国内盤の仕様は合格点だと思います。
さらに他のバージョンも観てみたいという方は、USユニバーサル盤を取り寄せるか、
クライテリオンからのリリースを待つのもいいのではないでしょうか。
2012年12月に北米クライテリオン社より
『未来世紀ブラジル』コレクターズBDが発売されることが決定したので、
現在手に入る本作のBD/DVDソフトの違いについて記しておきます。
国内盤DVD(ジェネオン)
本編:143分インターナショナル版(日本劇場公開版)
音声:英語リニアPCM 2.0ch
特典:メイキング”What is Brazil?”、予告編
国内盤BD(フォックス)
本編:144分ディレクターズ・カット版
音声:英語DTS-HDMA 2.0ch、日本語DTSステレオ(TV放送版、カット有)
特典:メイキング”What is Brazil?”、予告編
北米盤BD(ユニバーサル)
本編:132分US劇場公開版
音声:英語DTS-HDMA 5.1ch
特典:なし
北米盤(クライテリオン)
本編:142分ディレクターズ・カット版(国内盤BDと同内容。ギリアム監修の修復マスター使用)
音声:英語DTS-HDMA 2.0ch
特典:94分ハッピーエンド版本編、テリー・ギリアム監督による本編コメンタリー、
メイキング”What is Brazil?”、ドキュメンタリー”Battle of Brazil”、
脚本についてのドキュメンタリー、ギリアムによるストーリーボード、
ドキュメンタリー集:プロダクション・デザインと特殊効果について/
衣裳について/音楽について、予告編、解説書
(以下、オリジナルのレビュー)
本作には大まかに言って、
ヨーロッパおよび日本で劇場公開された144分版と、
米ユニバーサル社のM・シャインバーグが結末などに改変を施した94分の
「最後に愛は勝つ(Love Conquers All)」バージョン、
そしてアメリカ公開用にギリアム監督が再編集を行った132分のUS公開版の
3つのバージョンが存在します。
このブルーレイに収録されているのは、基本的には144分版をもとにし、
オープニングのみギリアム自身が「オリジナルよりも良い」と認めているUS公開版のもの
(元は黒地にテロップなのに対し、雲の上を飛ぶ映像が入る)に差し替えたバージョンです。
北米クライテリオン社のDVDでは、この版をファイナル・カットとして収録しています。
一方、現在北米ユニバーサルから発売されているBDに収録されているのは
132分のUS公開版であり、特典も皆無。
それに比べれば、完全版の本編に加えて30分のメイキング”What is Brazil?”と予告編
(国内盤2枚組DVDに収録されていたものと同内容)
も収めた国内盤は、良心的なリリースであると言っていいと思います。
クライテリオンの3枚組DVD-BOXに収録されていたさらなる特典
(「バトル・オブ・ブラジル」ドキュメンタリーなど)や94分バージョン
も収めてくれていればさらに完璧でしたが、
それはクライテリオンからのBDリリースを待つしかないでしょう。
基本的に、国内盤の仕様は合格点だと思います。
さらに他のバージョンも観てみたいという方は、USユニバーサル盤を取り寄せるか、
クライテリオンからのリリースを待つのもいいのではないでしょうか。
未来世紀ブラジル [DVD]
(2012.9.21追記)
2012年12月に北米クライテリオン社より
『未来世紀ブラジル』コレクターズBDが発売されることが決定したので、
現在手に入る本作のBD/DVDソフトの違いについて記しておきます。
国内盤DVD(ジェネオン)
本編:143分インターナショナル版(日本劇場公開版)
音声:英語リニアPCM 2.0ch
特典:メイキング”What is Brazil?”、予告編
国内盤BD(フォックス)
本編:144分ディレクターズ・カット版
音声:英語DTS-HDMA 2.0ch、日本語DTSステレオ(TV放送版、カット有)
特典:メイキング”What is Brazil?”、予告編
北米盤BD(ユニバーサル)
本編:132分US劇場公開版
音声:英語DTS-HDMA 5.1ch
特典:なし
北米盤(クライテリオン)
本編:142分ディレクターズ・カット版(国内盤BDと同内容。ギリアム監修の修復マスター使用)
音声:英語DTS-HDMA 2.0ch
特典:94分ハッピーエンド版本編、テリー・ギリアム監督による本編コメンタリー、
メイキング”What is Brazil?”、ドキュメンタリー”Battle of Brazil”、
脚本についてのドキュメンタリー、ギリアムによるストーリーボード、
ドキュメンタリー集:プロダクション・デザインと特殊効果について/
衣裳について/音楽について、予告編、解説書
(以下、オリジナルのレビュー)
本作には大まかに言って、
ヨーロッパおよび日本で劇場公開された144分版と、
米ユニバーサル社のM・シャインバーグが結末などに改変を施した94分の
「最後に愛は勝つ(Love Conquers All)」バージョン、
そしてアメリカ公開用にギリアム監督が再編集を行った132分のUS公開版の
3つのバージョンが存在します。
このブルーレイに収録されているのは、基本的には144分版をもとにし、
オープニングのみギリアム自身が「オリジナルよりも良い」と認めているUS公開版のもの
(元は黒地にテロップなのに対し、雲の上を飛ぶ映像が入る)に差し替えたバージョンです。
北米クライテリオン社のDVDでは、この版をファイナル・カットとして収録しています。
一方、現在北米ユニバーサルから発売されているBDに収録されているのは
132分のUS公開版であり、特典も皆無。
それに比べれば、完全版の本編に加えて30分のメイキング”What is Brazil?”と予告編
(国内盤2枚組DVDに収録されていたものと同内容)
も収めた国内盤は、良心的なリリースであると言っていいと思います。
クライテリオンの3枚組DVD-BOXに収録されていたさらなる特典
(「バトル・オブ・ブラジル」ドキュメンタリーなど)や94分バージョン
も収めてくれていればさらに完璧でしたが、
それはクライテリオンからのBDリリースを待つしかないでしょう。
基本的に、国内盤の仕様は合格点だと思います。
さらに他のバージョンも観てみたいという方は、USユニバーサル盤を取り寄せるか、
クライテリオンからのリリースを待つのもいいのではないでしょうか。
2012年12月に北米クライテリオン社より
『未来世紀ブラジル』コレクターズBDが発売されることが決定したので、
現在手に入る本作のBD/DVDソフトの違いについて記しておきます。
国内盤DVD(ジェネオン)
本編:143分インターナショナル版(日本劇場公開版)
音声:英語リニアPCM 2.0ch
特典:メイキング”What is Brazil?”、予告編
国内盤BD(フォックス)
本編:144分ディレクターズ・カット版
音声:英語DTS-HDMA 2.0ch、日本語DTSステレオ(TV放送版、カット有)
特典:メイキング”What is Brazil?”、予告編
北米盤BD(ユニバーサル)
本編:132分US劇場公開版
音声:英語DTS-HDMA 5.1ch
特典:なし
北米盤(クライテリオン)
本編:142分ディレクターズ・カット版(国内盤BDと同内容。ギリアム監修の修復マスター使用)
音声:英語DTS-HDMA 2.0ch
特典:94分ハッピーエンド版本編、テリー・ギリアム監督による本編コメンタリー、
メイキング”What is Brazil?”、ドキュメンタリー”Battle of Brazil”、
脚本についてのドキュメンタリー、ギリアムによるストーリーボード、
ドキュメンタリー集:プロダクション・デザインと特殊効果について/
衣裳について/音楽について、予告編、解説書
(以下、オリジナルのレビュー)
本作には大まかに言って、
ヨーロッパおよび日本で劇場公開された144分版と、
米ユニバーサル社のM・シャインバーグが結末などに改変を施した94分の
「最後に愛は勝つ(Love Conquers All)」バージョン、
そしてアメリカ公開用にギリアム監督が再編集を行った132分のUS公開版の
3つのバージョンが存在します。
このブルーレイに収録されているのは、基本的には144分版をもとにし、
オープニングのみギリアム自身が「オリジナルよりも良い」と認めているUS公開版のもの
(元は黒地にテロップなのに対し、雲の上を飛ぶ映像が入る)に差し替えたバージョンです。
北米クライテリオン社のDVDでは、この版をファイナル・カットとして収録しています。
一方、現在北米ユニバーサルから発売されているBDに収録されているのは
132分のUS公開版であり、特典も皆無。
それに比べれば、完全版の本編に加えて30分のメイキング”What is Brazil?”と予告編
(国内盤2枚組DVDに収録されていたものと同内容)
も収めた国内盤は、良心的なリリースであると言っていいと思います。
クライテリオンの3枚組DVD-BOXに収録されていたさらなる特典
(「バトル・オブ・ブラジル」ドキュメンタリーなど)や94分バージョン
も収めてくれていればさらに完璧でしたが、
それはクライテリオンからのBDリリースを待つしかないでしょう。
基本的に、国内盤の仕様は合格点だと思います。
さらに他のバージョンも観てみたいという方は、USユニバーサル盤を取り寄せるか、
クライテリオンからのリリースを待つのもいいのではないでしょうか。