緑の光線 (エリック・ロメール コレクション) [DVD]
故佐藤真監督のベスト1の作品です。
この映画の魅力はデルフィーヌが泣く場面のいたたまれなさと、そこにいたるまでに交わされる家族やともだちとの「普通」のやりとり。デルフィーヌは4回泣くのですが、そのたびに、誰もが体験したことのある無力感、絶望、孤独を否応なく思い出させられてしまいます。それまで交わされる会話に感情の起伏がほとんどないことが、デルフィーヌの嗚咽を際立たせています。役者たちは、演技していないような演技をしています。普通に食事しているグループを、普通に撮ったかのようなシーンが収められています。
「緑の光線」の意味はジュール・ヴェルヌの同名の小説から。日没後放たれる緑色の光を見た者は、人の気持ちが分かるようになるというのです。
今日、日没を某病院の窓から見ていましたが、橙色の光線しか見えませんでした。
人の心は、分からないほうがいいかもしれません。
この映画の魅力はデルフィーヌが泣く場面のいたたまれなさと、そこにいたるまでに交わされる家族やともだちとの「普通」のやりとり。デルフィーヌは4回泣くのですが、そのたびに、誰もが体験したことのある無力感、絶望、孤独を否応なく思い出させられてしまいます。それまで交わされる会話に感情の起伏がほとんどないことが、デルフィーヌの嗚咽を際立たせています。役者たちは、演技していないような演技をしています。普通に食事しているグループを、普通に撮ったかのようなシーンが収められています。
「緑の光線」の意味はジュール・ヴェルヌの同名の小説から。日没後放たれる緑色の光を見た者は、人の気持ちが分かるようになるというのです。
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緑の光線
フラナリー・オコナーやぺレック、ナボコフ、イーヴリン・ウォーなどの、いまでは入手困難な海外文学作品の復刊で注目されている文遊社(ありがたい話です。次はベルンハルトの『石灰工場』でどうぞよろしく。『消去』より面白いです)から、ついにヴェルヌの『緑の光線』が復刊されました。エリック・ロメールの映画『緑の光線』を観て以来、ずっと読みたかったので(多くの方がそうなのでは?)、感無量です(無駄に齢をとってよかった!)。復刊ですが改訳されているようで、とても読みやすい文章です。『メキシコの悲劇』という初期の短編も一緒に入ってます(メキシコ艦隊誕生をめぐる復讐の物語)。
ディケンズの小説の登場人物のような、好人物の双子の叔父が姪を結婚させようとしますが、姪が「緑の光線を見るまでは誰とも絶対に結婚しない」と言ったことで、緑の光線を求めての船旅が始まります。「緑の光線」とは、「海上に霧がなく、空が完全に澄み渡っているとき、太陽が最後の光線を放つ瞬間に起こる現象」で、太陽が水平線に沈む瞬間に見える緑の光線を見た者は、「自分と他人のこころのうちが、はっきり見えるようになる」とされています。この「緑の光線」を見るために、二人の叔父、姪、召使が旅をするのですが、「あともうすこしで」というところで邪魔が入り・・・という展開です。
叔父が姪の結婚相手として考えているアリストビューラス・ウルシクロスという若い学者のキャラクターがいい感じです。「若い学者としては学問があり、いやありすぎて、その幅広い学識も、いたずらに相手を退屈させるだけだ。・・・とくに気になる癖は、自然界のあらゆる事象について、出まかせのでたらめな説明をすること。要するに一種の衒学者。つきあっていると不愉快になる」といった言われようです。いいなあ、ウルシクロス。
映画『緑の光線』の登場人物が話していたように、本当にいい話でした。
ディケンズの小説の登場人物のような、好人物の双子の叔父が姪を結婚させようとしますが、姪が「緑の光線を見るまでは誰とも絶対に結婚しない」と言ったことで、緑の光線を求めての船旅が始まります。「緑の光線」とは、「海上に霧がなく、空が完全に澄み渡っているとき、太陽が最後の光線を放つ瞬間に起こる現象」で、太陽が水平線に沈む瞬間に見える緑の光線を見た者は、「自分と他人のこころのうちが、はっきり見えるようになる」とされています。この「緑の光線」を見るために、二人の叔父、姪、召使が旅をするのですが、「あともうすこしで」というところで邪魔が入り・・・という展開です。
叔父が姪の結婚相手として考えているアリストビューラス・ウルシクロスという若い学者のキャラクターがいい感じです。「若い学者としては学問があり、いやありすぎて、その幅広い学識も、いたずらに相手を退屈させるだけだ。・・・とくに気になる癖は、自然界のあらゆる事象について、出まかせのでたらめな説明をすること。要するに一種の衒学者。つきあっていると不愉快になる」といった言われようです。いいなあ、ウルシクロス。
映画『緑の光線』の登場人物が話していたように、本当にいい話でした。