出口王仁三郎 ~帝国の時代のカリスマ
物事は多角的に見なければならないが、大本教団を率いた出口王仁三郎を外国人の歴史学者がどのように評しているのか楽しみだった。
すでに多くの評論家や学者が王仁三郎の評伝を書いているので目新しいものは無かった。ただ、「あとがき」にも記してあるが、大本教団が協力的で写真原版のコピーを使用出来たことで、初めて目にする王仁三郎や教団関係の写真があったことが新鮮だった。
読後、なにか釈然としないものは何なのだろうかと考えた。
ひとつは、宗教団体の祖に対して「起業家」という言葉が使われていることからくるものだろう。確かに大本は現代の宗教ビジネスのモデルではあるが。
次に、この大本が誕生した時代について、日本と周辺国の政治的動きが希薄なこと。
さらに、著者の視点が占領政策を取り仕切ったGHQの歴史から見ていること。まるで、GHQに招かれた若きアメリカの研究者たちの論評を読んでいるかだった。
序章が固くなるのはよくあることだが、余りに固すぎて、読むことを中断し、再度、チャレンジしたほど。
王仁三郎のユニークなエピソードを交えても良かったのではと思うが、王仁三郎以外にもなかなか魅力的な人々も多く、その方々もからめても良かったのではと思う。
本書については、出口王仁三郎の著作を持つ松本健一氏が日経新聞の書評欄に書いておられたが、大本を咀嚼できていないというコメントになっていた。
すでに多くの評論家や学者が王仁三郎の評伝を書いているので目新しいものは無かった。ただ、「あとがき」にも記してあるが、大本教団が協力的で写真原版のコピーを使用出来たことで、初めて目にする王仁三郎や教団関係の写真があったことが新鮮だった。
読後、なにか釈然としないものは何なのだろうかと考えた。
ひとつは、宗教団体の祖に対して「起業家」という言葉が使われていることからくるものだろう。確かに大本は現代の宗教ビジネスのモデルではあるが。
次に、この大本が誕生した時代について、日本と周辺国の政治的動きが希薄なこと。
さらに、著者の視点が占領政策を取り仕切ったGHQの歴史から見ていること。まるで、GHQに招かれた若きアメリカの研究者たちの論評を読んでいるかだった。
序章が固くなるのはよくあることだが、余りに固すぎて、読むことを中断し、再度、チャレンジしたほど。
王仁三郎のユニークなエピソードを交えても良かったのではと思うが、王仁三郎以外にもなかなか魅力的な人々も多く、その方々もからめても良かったのではと思う。
本書については、出口王仁三郎の著作を持つ松本健一氏が日経新聞の書評欄に書いておられたが、大本を咀嚼できていないというコメントになっていた。