MOMENT (集英社文庫)
ありそうな設定だったので期待度は低かった。
でも、主人公の『必殺仕事人』〔笑〕の立ち位置がほどよく、読んでいて嫌味がなかった。
そしてなによりも、依頼人が全員死の間際というのもよかったのだと思う。
人間誰でも生きていれば一つや二つ心残りもあるというものだ。
でも、主人公の『必殺仕事人』〔笑〕の立ち位置がほどよく、読んでいて嫌味がなかった。
そしてなによりも、依頼人が全員死の間際というのもよかったのだと思う。
人間誰でも生きていれば一つや二つ心残りもあるというものだ。
魔術師の視線
この作者の作品を初めて読みました。文章も流れがよくて読みやすく、人物の描写や会話によけいなケレン味もなくて、すらすらと一気読みできました。
37歳の女性ビデオジャーナリスト・薫のもとに、かつて「超能力少女」として話題になった14歳の少女・礼が尋ねてくるところから、話が始まります。「ストーカーにつきまとわれ、親も頼れない」という礼を、居候させる破目になりますが、このままでは困るので礼について調べ始めると、周囲に事件が起こって‥‥という展開です。
職業柄(と、子供時代の辛い体験から)、相手の発する言葉や見せかけの表情よりも、視線や動作などから相手の本心、真実を読み取ろうとする薫。話が進むにつれ、やり手の女性元編集長、大物政治家、美人政治学者、戦場ジャーナリスト‥‥と次々役者が登場して、期待が高まっていきます。人々の語る話の、何が真実で、どこが本音なのか。
話が進むにつれ露わになってくる礼の心の奥底にぞくりとしましたし、大人でも子供でもないその年頃特有の中途半端な立ち位置が、話の中で効果的であるように思いましたが、普段の礼の描写があまり14歳っぽくなかったため(しっかりものの高校生くらいのイメージ)、そこが少し残念に感じました。
蛇足ですが、薫に頼る礼の様子を、薫の同僚が「いじましい」と表現していましたが、「いじらしい」の方が良いのでは‥‥?
37歳の女性ビデオジャーナリスト・薫のもとに、かつて「超能力少女」として話題になった14歳の少女・礼が尋ねてくるところから、話が始まります。「ストーカーにつきまとわれ、親も頼れない」という礼を、居候させる破目になりますが、このままでは困るので礼について調べ始めると、周囲に事件が起こって‥‥という展開です。
職業柄(と、子供時代の辛い体験から)、相手の発する言葉や見せかけの表情よりも、視線や動作などから相手の本心、真実を読み取ろうとする薫。話が進むにつれ、やり手の女性元編集長、大物政治家、美人政治学者、戦場ジャーナリスト‥‥と次々役者が登場して、期待が高まっていきます。人々の語る話の、何が真実で、どこが本音なのか。
話が進むにつれ露わになってくる礼の心の奥底にぞくりとしましたし、大人でも子供でもないその年頃特有の中途半端な立ち位置が、話の中で効果的であるように思いましたが、普段の礼の描写があまり14歳っぽくなかったため(しっかりものの高校生くらいのイメージ)、そこが少し残念に感じました。
蛇足ですが、薫に頼る礼の様子を、薫の同僚が「いじましい」と表現していましたが、「いじらしい」の方が良いのでは‥‥?