風が強く吹いている
箱根駅伝を走る若者達の生き方が、楽しくて、気持ちよくて、美しいです。10区だから、10人いるわけですが、10人それぞれの状況やら気持ちやらが、ちゃあんと、生き生きと伝わってきて、みんなを大好きになれました。
私は平塚中継所の側に住んでおり、時には旗を持って沿道へ行く事もあるのですが、10区間のそれぞれの描写にも感心しました。本当っぽいです。よく、これだけ調査したもんです。
また、実際に中継を見ていると、選手達が、東京から「アッ!」と言う間に平塚まで来てしまうので驚くのですが、そういうスピード感もちゃんと表しているし、しをんさんは若いのに凄腕ですねえ。
今度のお正月には、大好きな竹青荘のメンバーが走っている姿を幻視してしまいそう。
私は平塚中継所の側に住んでおり、時には旗を持って沿道へ行く事もあるのですが、10区間のそれぞれの描写にも感心しました。本当っぽいです。よく、これだけ調査したもんです。
また、実際に中継を見ていると、選手達が、東京から「アッ!」と言う間に平塚まで来てしまうので驚くのですが、そういうスピード感もちゃんと表しているし、しをんさんは若いのに凄腕ですねえ。
今度のお正月には、大好きな竹青荘のメンバーが走っている姿を幻視してしまいそう。
風が強く吹いている スペシャルエディション [DVD]
今年劇場で見た映画の中で最も(いい意味で)意外性があったのが、この『風が強く吹いている』だ。
弱小陸上部、寛政大学の学生寮“青竹”にカケル(林遣都)が入寮する。寮のまかないを一手に引き受けていた4年生のハイジ(小出恵介)は、寮生たちを前に「これから、この10人で箱根駅伝を目指す」と高らかに宣言するのだが・・・。
マネージャー兼コーチのハイジ君、ダメダメの部員達にいきなり高い目標を無理やり押し付ける星一徹のようなことはしない。(実力者のカケルは別格として扱い)部員たちの性格や脚質を見極めて、きめ細やかなメニューで確実に実力アップを図っていく知将ぶりは、現代社会で求められる理想の指導者像といってもよいだろう。
そのハイジ君指導の元、記録会→予選会→本戦大会と部員たちがステップアップしていく様子を、途中の練習風景と共に実にリアルな映像でカメラが追いかけている。箱根駅伝の熱戦ぶりも、(丹念な取材が物を言っているのか)九州ロケというハンデをまったく感じさせないほど上手に撮られているのだ。
クライマックスで盛り上げようとするあまり、現実乖離した過剰演出が観客をおいてけぼりにするようなミスも犯してはいない。ほどよく抑制の効いた演出のおかげで、こういうスポ魂系ムービーがよく陥りがちな罠をうまく回避できているのである。
そして、それぞれの部員が心に抱える挫折経験が走ることによって浄化され、いつしか“タスキをつなぐ”という目的のために部員たちの心が一つになった時、観客の心もまた部員と同じカタルシスを覚えるにちがいない。
『走ることの意味』を問い続けたハイジとカケル。映画はその結論を見せてはいないが、ダメダメ部員たちが走る中でそれぞれの“意味”を見つけたように、映画を見終わった観客それぞれが自身の人生に照らし合わせて見つければいい。感動を観客に押しつけようとしない監督の立ち位置にも好感がもてる。
映画館を出た後、頬にあたる風が久々に心地よかった1本だ。
弱小陸上部、寛政大学の学生寮“青竹”にカケル(林遣都)が入寮する。寮のまかないを一手に引き受けていた4年生のハイジ(小出恵介)は、寮生たちを前に「これから、この10人で箱根駅伝を目指す」と高らかに宣言するのだが・・・。
マネージャー兼コーチのハイジ君、ダメダメの部員達にいきなり高い目標を無理やり押し付ける星一徹のようなことはしない。(実力者のカケルは別格として扱い)部員たちの性格や脚質を見極めて、きめ細やかなメニューで確実に実力アップを図っていく知将ぶりは、現代社会で求められる理想の指導者像といってもよいだろう。
そのハイジ君指導の元、記録会→予選会→本戦大会と部員たちがステップアップしていく様子を、途中の練習風景と共に実にリアルな映像でカメラが追いかけている。箱根駅伝の熱戦ぶりも、(丹念な取材が物を言っているのか)九州ロケというハンデをまったく感じさせないほど上手に撮られているのだ。
クライマックスで盛り上げようとするあまり、現実乖離した過剰演出が観客をおいてけぼりにするようなミスも犯してはいない。ほどよく抑制の効いた演出のおかげで、こういうスポ魂系ムービーがよく陥りがちな罠をうまく回避できているのである。
そして、それぞれの部員が心に抱える挫折経験が走ることによって浄化され、いつしか“タスキをつなぐ”という目的のために部員たちの心が一つになった時、観客の心もまた部員と同じカタルシスを覚えるにちがいない。
『走ることの意味』を問い続けたハイジとカケル。映画はその結論を見せてはいないが、ダメダメ部員たちが走る中でそれぞれの“意味”を見つけたように、映画を見終わった観客それぞれが自身の人生に照らし合わせて見つければいい。感動を観客に押しつけようとしない監督の立ち位置にも好感がもてる。
映画館を出た後、頬にあたる風が久々に心地よかった1本だ。