ショスタコーヴィチ―揺れる作曲家像と作品解釈 (ユーラシア・ブックレット)
「生誕100年」で演奏会でショスタコーヴィチ(以下、Шと略称)の曲が
演奏されることが多いことと思います。60頁程度の本書は予習や復習に
ちょうどいいと思いました。全体的に筆者は国家社会主義に人生を翻弄
されたШに一定の理解を示しながらも、Шの体制寄りの面と体制に批判的
な面を二つの面を指摘していました。またわずか少ない頁という制約の
中で筆者なりの独自の見解を披露するなど挑戦心が随所に見られよいと
思いました。また学術的な観点から言えば不足(例としてШのユダヤ人
に対する同情など)と感じた人のために文献ガイドもしっかり紹介され
ています。
演奏されることが多いことと思います。60頁程度の本書は予習や復習に
ちょうどいいと思いました。全体的に筆者は国家社会主義に人生を翻弄
されたШに一定の理解を示しながらも、Шの体制寄りの面と体制に批判的
な面を二つの面を指摘していました。またわずか少ない頁という制約の
中で筆者なりの独自の見解を披露するなど挑戦心が随所に見られよいと
思いました。また学術的な観点から言えば不足(例としてШのユダヤ人
に対する同情など)と感じた人のために文献ガイドもしっかり紹介され
ています。
ショスタコーヴィチ (作曲家・人と作品シリーズ)
日本語によるショスタコーヴィチ評伝における嚆矢であり、幾多の先行研究を踏まえている分、おそらく有数のハイレベルな1冊。しかもコンパクトで読みやすい。
20世紀最大の芸術家といえるショスタコーヴィチは、ソ連邦の悲劇を生きた証人でもあるが、その「二枚舌」「二重言語」と言われたしたたかさによって生き延びた芸術家でもあった。
同業者をはじめ、多くの芸術家がテロルの犠牲者ともなった時代を生き延びるのは生半可なことではないととともに、断腸の思いや忸怩たる思いで変節を自らに強いざるを得なかったであろう。ネップ時代のルナチャルスキーが失脚せずに(ということはつまりスターリンが台頭せずにということと同義だが)、その文化政策が継続していれば随分とその運命は変わっていただろう。
ミハイル・バフチンやヴェデルニコフといった真性の天才たちももっと活躍したに違いない。
マヤコフスキーやメイエルホリドは一体どこまで到達しただろうか?
ショスタコーヴィチの晩年は、保守派への変節と取られたようだが、それこそ哀しき「三つ子の魂」と言えるのだろうか。最早、本能的な二重言語のような気がする。
20世紀最大の芸術家といえるショスタコーヴィチは、ソ連邦の悲劇を生きた証人でもあるが、その「二枚舌」「二重言語」と言われたしたたかさによって生き延びた芸術家でもあった。
同業者をはじめ、多くの芸術家がテロルの犠牲者ともなった時代を生き延びるのは生半可なことではないととともに、断腸の思いや忸怩たる思いで変節を自らに強いざるを得なかったであろう。ネップ時代のルナチャルスキーが失脚せずに(ということはつまりスターリンが台頭せずにということと同義だが)、その文化政策が継続していれば随分とその運命は変わっていただろう。
ミハイル・バフチンやヴェデルニコフといった真性の天才たちももっと活躍したに違いない。
マヤコフスキーやメイエルホリドは一体どこまで到達しただろうか?
ショスタコーヴィチの晩年は、保守派への変節と取られたようだが、それこそ哀しき「三つ子の魂」と言えるのだろうか。最早、本能的な二重言語のような気がする。
ブラームス「交響曲 第2番」&ショスタコーヴィチ「革命」‾小澤征爾 サイトウ・キネン・オーケストラ‾ [Blu-ray]
ブラームス第2番は、小澤らしさが全面に出た演奏だ。ブラームスといえば、重厚さが特徴だが、ここでは弦の重厚さを出すというよりは、打楽器を中心に重厚さを醸し出しているのが良い。それはまるで、日本の和太鼓などに象徴される日本伝統の音作りが再現されているといっていいかもしれない。打楽器だけではなく、弦や管も響きは短く、しかも重く深く、明らかに日本古来の音楽だ。それが、この演奏の最大の特徴といえよう。そして、その総合体としての第2番の交響曲は、まさに祭りだ。日本の祭りだ。沸き立つ郷愁が、まるでブラームスが日本のお祭りを意識して、この曲を作ったのではないかと幻覚するほどに、小澤は第2番を作り替えている。デフォルメしている。小澤の面目躍如といったところだ。素晴らしい演奏だ。
私はこの演奏をNHKのBSで聴いた。その時から、ピンときていた。慌てて、ネットでビデオを探した。探し当て、改めて聴いてみると、やっぱり期待通りのあっと驚く演奏だった。ゆっくりと聴けたので、細部までよく見通すことができた。良い買い物だったなと思う。
BDを初めて購入した。音がすごくいい。癖になりそうだ。映像もNHKだけあってカメラワークもとてもいい。BDだからという映像の美はまだまだ私には理解するのが先のように思うが、ごく自然な感じでホールの雰囲気を伝えている。荒さがない。DVDとBDの違いを明確に「こう違います」と説明できるほどには、私の目は熟されていない。これだけはいえる。音はすごくいい。臨場感たっぷりだ。
私はこの演奏をNHKのBSで聴いた。その時から、ピンときていた。慌てて、ネットでビデオを探した。探し当て、改めて聴いてみると、やっぱり期待通りのあっと驚く演奏だった。ゆっくりと聴けたので、細部までよく見通すことができた。良い買い物だったなと思う。
BDを初めて購入した。音がすごくいい。癖になりそうだ。映像もNHKだけあってカメラワークもとてもいい。BDだからという映像の美はまだまだ私には理解するのが先のように思うが、ごく自然な感じでホールの雰囲気を伝えている。荒さがない。DVDとBDの違いを明確に「こう違います」と説明できるほどには、私の目は熟されていない。これだけはいえる。音はすごくいい。臨場感たっぷりだ。
エフゲニー・ムラヴィンスキー [DVD]
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エフゲニー・ムラヴィンスキーII [DVD]
実に興味深いDVDである。ベートーヴェンの交響曲第4番は、ムラヴィンスキーが愛してやまなかった作品である。(ムラヴィンスキーの演奏記録を見ると、この曲の演奏回数が多い事に驚かされる。)1973年、彼が初めて日本を訪れた際、彼が、東京公演の第一夜に、この曲を演奏し、聴衆を興奮させた事は、今も語り草に成って居る。そして、その際、滅多に誉めない事で知られて居た音楽評論家の大木正興氏に「驚くべき演奏」と言ふ言葉で絶賛をさせて居る事なども忘れがたい。その、ムラヴィンスキーが愛してやまなかったベートーヴェンの交響曲第4番について、ムラヴィンスキー自身が、このDVDに収録されたソ連のテレビ番組の中で、これほど雄弁に語って居た事は、私にとって、驚きであった。その中で、ムラヴィンスキーは、ベートーヴェンが、この曲を非常に短い期間に作曲した事などを語りながら、この曲への自分の想ひを語って居る。--非常に興味深い分析で、それを聴くと、彼が、この曲をあれほど何度も繰り返し演奏した理由が分かる様な気がして来る。(ソ連のテレビ番組に、こんな質の高い音楽番組が有った事を知らされただけでも、このDVDは、大きな収穫であった。)--ベートーヴェンを愛する全ての人にこの素晴らしいDVDを推薦する。ムラヴィンスキーの解説と演奏によって、ややもすれば、第3(「英雄」)と第5の間の曲として、過小評価される事も有るベートーヴェンの交響曲第4番の素晴らしさが再認識される筈である。そして同時に、ややもすればチャイコフスキーとショスタコーヴィチの演奏者としてその名を想起され勝ちなムラヴィンスキーが、実は、20世紀最高のベートーヴェン指揮者であった事が、このDVDによって、再認識される筈である。
(西岡昌紀・内科医)
(西岡昌紀・内科医)