ムシヌユン 1 (ビッグコミックス)
漫画が映画化すると
「なんでこんなにシリアスなんだ?茶目っ気はどうした」と思う。
まったくの自論ですが、劇画だろうがエログロだろうが
手のひらに収まるサイズで、コマ割りのなされた漫画という表現は
それだけで愛嬌というかお茶目さを帯びる、と思います。
いくら倫理観ゼロのブっとんだ展開をしようが
発禁モノのえげつない描写があろうが、「漫画」だから許される何かがある。
でも映画になると、アクションやバイオレンス、CGに力が注がれ
漫画特有の何でもアリな愛嬌が失われ、実に退屈な凡作になってしまう。
・・・なぜ『ムシヌユン』に関係なさげな事を長々と書いたかと言えば
この漫画には映像化不可能な茶目っ気が、膨大な熱量で描かれているからです。
文化人類学者でもある作者の知性が動員された裏付け。
グロテスクなまでに緻密な描写。バカバカしくも鋭利でパワーある台詞。
漫画に必要なモノが(何かは知らないけど)一つとして欠けてない気さえします。
濃厚で強烈で、悪夢か楽園か区別つかない蠱惑に満ち溢れた怪作です。
「なんでこんなにシリアスなんだ?茶目っ気はどうした」と思う。
まったくの自論ですが、劇画だろうがエログロだろうが
手のひらに収まるサイズで、コマ割りのなされた漫画という表現は
それだけで愛嬌というかお茶目さを帯びる、と思います。
いくら倫理観ゼロのブっとんだ展開をしようが
発禁モノのえげつない描写があろうが、「漫画」だから許される何かがある。
でも映画になると、アクションやバイオレンス、CGに力が注がれ
漫画特有の何でもアリな愛嬌が失われ、実に退屈な凡作になってしまう。
・・・なぜ『ムシヌユン』に関係なさげな事を長々と書いたかと言えば
この漫画には映像化不可能な茶目っ気が、膨大な熱量で描かれているからです。
文化人類学者でもある作者の知性が動員された裏付け。
グロテスクなまでに緻密な描写。バカバカしくも鋭利でパワーある台詞。
漫画に必要なモノが(何かは知らないけど)一つとして欠けてない気さえします。
濃厚で強烈で、悪夢か楽園か区別つかない蠱惑に満ち溢れた怪作です。
ナチュン(1) (アフタヌーンKC)
希代の天才数学者であった人物が撮影したビデオ映像を見た大学院生の青年が人工知能の秘密に気付き、世界征服の野望を燃やして沖縄の漁師に弟子入りするSF漫画。イルカと戯れるウェットスーツの完黙ヒロイン、漁師としては有能だが人間としてはダメダメなゲンさん、主人公なのに単行本の表紙からは外されてしまったテルちゃん、海の底からやってきたフィリピンパブの女のコ等々、魅力的な登場人物たちが謎めいた物語を彩る。おっと、寿司屋の若き人妻も忘れてはいけない。
この漫画は強烈に面白いのだが、その面白さを他人に説明する術がない。一般的な漫画の定型に沿った作りではないので読み手によってはわかりにくく感じるかもしれないけれど、「最近の漫画はツマラン」という漫画好きの人に是非お勧めしたい。
この漫画は強烈に面白いのだが、その面白さを他人に説明する術がない。一般的な漫画の定型に沿った作りではないので読み手によってはわかりにくく感じるかもしれないけれど、「最近の漫画はツマラン」という漫画好きの人に是非お勧めしたい。