銀色の月――小川国夫との日々
小川国夫を知るために購入、奥様である作者が作家小川国の傍らでその仕事ぶりを表にでることなく、静かにみておられた奥様に感服。特に、帰って来ない夫を女の勘でその滞在先に訪ねられ、女性と居た夫を確認した直後、外に飛び出し慟哭、つわりもあったのが吐いてしまう場面、それを夫の死後作者自身も80歳近くでありながもまた思い出され最後にまた書いておられるところなど、共感して読みました。
イエス・キリストの生涯
私自身は、キリスト教徒ではないし、イエス・キリストの生涯について書かれた本をそれほど読んでいるわけではない(30年ぐらい前に、遠藤周作氏のものを読んだぐらいである)。だから、宗教的に正確なことは分からないし、他の書物と比較して本書について、あれこれ書くことはできない。
ただ、そういった中で、確実なことは、本書が分かりやすいということである。その理由として考えられるのが、「商品の説明」欄に書かれた連載のベースになったものが、いわゆるカルチャースクールでの講演であることだろう。また、「解説」によると1995年にNHK教育で放映された人間大学のテキストがベースとなった『イエス・キリストの生涯を読む』に比較すると、400字詰原稿用紙で80枚分ほど多いことも、その一因かもしれない。そして、最新の神学研究などからの引用ではなく、著者自身が徹底して読みこんだ聖書の内容に即し、生涯が描かれていることが最大の要因ではないだろうか。
さらに、聖書からの引用についても「ぼくの訳」と書くように、自らの言葉に置き換えている。「解説」では、敬語表現を避けたことも著者の訳の特徴として挙げている。
もう一つ、印象的なことは「奇蹟」について、あれこれ解釈をして辻褄合わせをせずに、聖書の記述に基づき、それをそのまま伝えようとしていることである。
文字が大きく、行間もゆったりと組んであるため、逆に速く読みとばすことが難しい。だからこそ、著者の描くイエス・キリスト像をより良く理解できるような気がしてならない。
ただ、そういった中で、確実なことは、本書が分かりやすいということである。その理由として考えられるのが、「商品の説明」欄に書かれた連載のベースになったものが、いわゆるカルチャースクールでの講演であることだろう。また、「解説」によると1995年にNHK教育で放映された人間大学のテキストがベースとなった『イエス・キリストの生涯を読む』に比較すると、400字詰原稿用紙で80枚分ほど多いことも、その一因かもしれない。そして、最新の神学研究などからの引用ではなく、著者自身が徹底して読みこんだ聖書の内容に即し、生涯が描かれていることが最大の要因ではないだろうか。
さらに、聖書からの引用についても「ぼくの訳」と書くように、自らの言葉に置き換えている。「解説」では、敬語表現を避けたことも著者の訳の特徴として挙げている。
もう一つ、印象的なことは「奇蹟」について、あれこれ解釈をして辻褄合わせをせずに、聖書の記述に基づき、それをそのまま伝えようとしていることである。
文字が大きく、行間もゆったりと組んであるため、逆に速く読みとばすことが難しい。だからこそ、著者の描くイエス・キリスト像をより良く理解できるような気がしてならない。