アニー・ホール [Blu-ray]
ウディ・アレンの才気がほとばしる作品のひとつです。個人的には彼の最高傑作とは思いませんが、こんなロマンス
(コメディ)を他の誰が撮れるのか?という作品です。
映画ですから、感想は観た人の「好き」「嫌い」にゆだねられるべきだと思いますが、ウディ・アレンという才人の作品
を鑑賞するについては、(他の誰もがそうであるように)基本的にはショービジネス(商業的成功を目的のひとつとして
いる)界に身をおきながら、同時に「作家」であるということを、こちらもわきまえていないといけないのではないか?と
思います。
彼の場合は「作家としての個性」が、例えば恋愛映画を撮ったとしても、こうした「饒舌」で「皮肉屋」で「自虐的」な
文章(作風)になる(またそれを得意とする)作家であるということだと思います。
この映画を撮った頃には、こうした作風を確立した頃であり、後の作品にもそうした精神は根付いているように思います。
しかし、一方で、「カイロの紫のバラ」や「カメレオンマン」のような作品も残してくれているわけです。ボク自身、あまり
理屈っぽく語るつもりはありませんが、この奇才・異才・天才の作品を楽しむには「アレンが作家である」という認識で
鑑賞しています。そうすることで、ニヤニヤさせられるのです。
そのうえで、「これが最高傑作とは思わないが、アレンらしい、アレンでなければ撮れない映画」だと評価しています。
★の数が満点でないのも、そんな理由であって「何かがもの足りない」というマイナス評価したわけではありません。
「映画は最後まで観ないといけない」という典型のような映画のひとつかもしれません。
近年でも年1本のペースで新作を届けてくれます。ますます「作家らしい映画」を楽しみにしています。
(コメディ)を他の誰が撮れるのか?という作品です。
映画ですから、感想は観た人の「好き」「嫌い」にゆだねられるべきだと思いますが、ウディ・アレンという才人の作品
を鑑賞するについては、(他の誰もがそうであるように)基本的にはショービジネス(商業的成功を目的のひとつとして
いる)界に身をおきながら、同時に「作家」であるということを、こちらもわきまえていないといけないのではないか?と
思います。
彼の場合は「作家としての個性」が、例えば恋愛映画を撮ったとしても、こうした「饒舌」で「皮肉屋」で「自虐的」な
文章(作風)になる(またそれを得意とする)作家であるということだと思います。
この映画を撮った頃には、こうした作風を確立した頃であり、後の作品にもそうした精神は根付いているように思います。
しかし、一方で、「カイロの紫のバラ」や「カメレオンマン」のような作品も残してくれているわけです。ボク自身、あまり
理屈っぽく語るつもりはありませんが、この奇才・異才・天才の作品を楽しむには「アレンが作家である」という認識で
鑑賞しています。そうすることで、ニヤニヤさせられるのです。
そのうえで、「これが最高傑作とは思わないが、アレンらしい、アレンでなければ撮れない映画」だと評価しています。
★の数が満点でないのも、そんな理由であって「何かがもの足りない」というマイナス評価したわけではありません。
「映画は最後まで観ないといけない」という典型のような映画のひとつかもしれません。
近年でも年1本のペースで新作を届けてくれます。ますます「作家らしい映画」を楽しみにしています。
トラウマ恋愛映画入門
著者の町山さんは、映画は大好きですが、れない映画は自分から観にいくことはなかったそうで、もっぱら怪獣やカウボーイや戦車が暴れまくるような映画ばかり見てきたそうです。
しかし、町山さんは最近やっと気づいたそうです。優れた恋愛映画は、どんなホラーよりも怖く、どんなコメディより笑えて、どんなミステリよりも謎で、どんなAVよりもエロティックで、どんなアクションよりエキサイティングだと!!!
ということで、町山流甘くなく、ロマンティックでない、どちらかというと苦い失敗だらけの恋愛映画の紹介です!!!
本書では22作品が紹介されています。町山さんといえば、映画秘宝を連想しますが、本書では、1作を除き(赤い影)、後はすべて「小説すばる」に連載されたものが編集、収録されています。
以下、記憶に残った作品について少し述べてみます。
1:アニー・ホール:この映画を当時付き合っていた彼女と観にいきました。内容は本書に述べられている通りで、デートで見るべき映画ではなかったです!!アレン最大のヒット作で、当時付き合っていたダイアン・キートンとの間に実際あったことを映像化したといわれています。
2:めまい:最近、ヒッチコックという映画を見に行きましたが、この映画ではヒッチの女性に対する変態趣味がよく描かれていましたが、この映画はさしずめ、その実践版ですかね!映画自体はボアロー&ナルスジャックの原作に基づいたもので、ミステリ仕立てになっています。
3;愛のコリーダ:先日亡くなられた大島渚監督の映画です。阿部定をモデルにした、我が国初のハード・コアーで大いに話題を呼びました。私は本作、愛の亡霊とも観にいきました。女の情念がほとばしっていました。
4:赤い影:これも公開時観にいきました。わかりにくい映画でしたが、やはり男と女の間には深い溝があるのかな?
5:アイズ・ワイド・シャット:S・キューブリックの遺作、当然、観にいきました。主演は当時夫婦だったT・クルーズとN・キッドマン。夢物語(シュニッラー)に基づいて製作されていて、この映画化はキューブリックにとっての遺作であり、また、贖罪でもあったそうです。付け加えますと、この後、T・クルーズとN・キッドマンは離婚しました。
すべてはとても紹介しきれませんが、いずれも町山流の非常に興味深い、面白い作品分析がなされています。映画が好きな人も、そうでない人も一読の価値があると思います。
なお、DVD化の有無もデータとしてあればありがたかったです。
私も未見の映画がありますから、早速見ることにしましょう!!!
しかし、町山さんは最近やっと気づいたそうです。優れた恋愛映画は、どんなホラーよりも怖く、どんなコメディより笑えて、どんなミステリよりも謎で、どんなAVよりもエロティックで、どんなアクションよりエキサイティングだと!!!
ということで、町山流甘くなく、ロマンティックでない、どちらかというと苦い失敗だらけの恋愛映画の紹介です!!!
本書では22作品が紹介されています。町山さんといえば、映画秘宝を連想しますが、本書では、1作を除き(赤い影)、後はすべて「小説すばる」に連載されたものが編集、収録されています。
以下、記憶に残った作品について少し述べてみます。
1:アニー・ホール:この映画を当時付き合っていた彼女と観にいきました。内容は本書に述べられている通りで、デートで見るべき映画ではなかったです!!アレン最大のヒット作で、当時付き合っていたダイアン・キートンとの間に実際あったことを映像化したといわれています。
2:めまい:最近、ヒッチコックという映画を見に行きましたが、この映画ではヒッチの女性に対する変態趣味がよく描かれていましたが、この映画はさしずめ、その実践版ですかね!映画自体はボアロー&ナルスジャックの原作に基づいたもので、ミステリ仕立てになっています。
3;愛のコリーダ:先日亡くなられた大島渚監督の映画です。阿部定をモデルにした、我が国初のハード・コアーで大いに話題を呼びました。私は本作、愛の亡霊とも観にいきました。女の情念がほとばしっていました。
4:赤い影:これも公開時観にいきました。わかりにくい映画でしたが、やはり男と女の間には深い溝があるのかな?
5:アイズ・ワイド・シャット:S・キューブリックの遺作、当然、観にいきました。主演は当時夫婦だったT・クルーズとN・キッドマン。夢物語(シュニッラー)に基づいて製作されていて、この映画化はキューブリックにとっての遺作であり、また、贖罪でもあったそうです。付け加えますと、この後、T・クルーズとN・キッドマンは離婚しました。
すべてはとても紹介しきれませんが、いずれも町山流の非常に興味深い、面白い作品分析がなされています。映画が好きな人も、そうでない人も一読の価値があると思います。
なお、DVD化の有無もデータとしてあればありがたかったです。
私も未見の映画がありますから、早速見ることにしましょう!!!
アニー・ホール【字幕版】 [VHS]
アカデミー賞を多数獲得している、文字通りウディアレンの代表作。
具体的な内容といえば、70年代のNYを舞台に、
神経質で皮肉屋のアルビーと、歌手としての成功を夢見るアニーホールとの
恋愛模様が描かれるロマンスコメディです。
ただその多くが、当時のアメリカを取り巻く政治や人種問題、
文化をベースとしたスノッブな会話シーンに割かれているため、
今現在日本で生きるわたしたちが予備知識無しで観ると、
そもそも話している意味すら理解できない場面も多いかも。
そしてなんだかんだ言ってもロマンスが中心軸なので、
恋愛を中心とした人生経験を積まなければ、
理解できない場面も増え、楽しめる場面は
ますます減っていくかもしれません。
わたしもアニーホールを何度か観ていますが、
10代の頃はどこが面白いか全く分からず
20代に観たときに恋愛のパートについてちょっとだけ感じ入ることがあり、
30代半ばで観たときは号泣してしまいました。
特に後半、愛し合った二人の心が少しずつ離れていき、
完全に納得できないままであっても訪れる別れ。
数年後に街で偶然会い、恋人たちをあらわすエピソードが流れる。
愛というものは永遠に続かないかもしれない、でも。
詳しくは触れませんが、映画中にちりばめられたコメディも皮肉も、
すべてはラストのその一言をあらわすための壮大な序章だとおもいます。
つまらないという人も真実、大好きと言う人もきっと真実。
なので誰にでも購入を勧めるかどうかという意味では判断は難しいけれど
きっと時が来れば誰もが好きになる、そんな映画なのかもしれません。
ちなみに、わたしは大好きです!
具体的な内容といえば、70年代のNYを舞台に、
神経質で皮肉屋のアルビーと、歌手としての成功を夢見るアニーホールとの
恋愛模様が描かれるロマンスコメディです。
ただその多くが、当時のアメリカを取り巻く政治や人種問題、
文化をベースとしたスノッブな会話シーンに割かれているため、
今現在日本で生きるわたしたちが予備知識無しで観ると、
そもそも話している意味すら理解できない場面も多いかも。
そしてなんだかんだ言ってもロマンスが中心軸なので、
恋愛を中心とした人生経験を積まなければ、
理解できない場面も増え、楽しめる場面は
ますます減っていくかもしれません。
わたしもアニーホールを何度か観ていますが、
10代の頃はどこが面白いか全く分からず
20代に観たときに恋愛のパートについてちょっとだけ感じ入ることがあり、
30代半ばで観たときは号泣してしまいました。
特に後半、愛し合った二人の心が少しずつ離れていき、
完全に納得できないままであっても訪れる別れ。
数年後に街で偶然会い、恋人たちをあらわすエピソードが流れる。
愛というものは永遠に続かないかもしれない、でも。
詳しくは触れませんが、映画中にちりばめられたコメディも皮肉も、
すべてはラストのその一言をあらわすための壮大な序章だとおもいます。
つまらないという人も真実、大好きと言う人もきっと真実。
なので誰にでも購入を勧めるかどうかという意味では判断は難しいけれど
きっと時が来れば誰もが好きになる、そんな映画なのかもしれません。
ちなみに、わたしは大好きです!
ディズニー・マジカル・ワールド
『ライオン・キング』『アラジン』『リトル・マーメイド』『美女と野獣』、
今だ絶大な人気を誇る作品の音楽をオーケストラとコーラスの編成の組曲としたものです。
特に後三作品はアラン・メンケン作曲であり好きな人も多いと思いますが、
これらの曲を聴くならぜひこのCDをお勧めします。
まず選曲がとても良いです。
『美女と野獣』で野獣の魔法が解けるあのシーンで流れた音楽、他のCDで聴いたことありますか?
このCDではきっちり演奏してくれるんです。『リトル・マーメイド』のラストのファンファーレ、
『ライオン・キング』のエンディングも同様。コーラス付きでこれでもかと盛り上げます。
何よりも演奏が素晴らしい。
指揮のエリック・カンゼルさんはポップスを多く録音されており、映画音楽には精通していると思われます。
彼の演奏は、原曲の雰囲気を壊さずそれでいて非常に熱いです。
一方コーラスは大学生であり特にリズムが難しい曲では所々傷も見られますが、
それを上回るパフォーマンス、パワーを発揮しています。
全体に、映画の付随音楽である原曲よりも、音楽それ自体を主役とした演奏として成り立っていると思います。
例えば、「パート・オブ・ユア・ワールド」では伴奏が控えめな原曲に比較して、
この音源ではオーケストラの合いの手も引き立ち、ボーカルに華を添えます。
他にも、原曲の新たな魅力を発見できること間違いなしでしょう。
最後に僕が個人的に好きなのは『ライオン・キング』組曲と『リトル・マーメイド』組曲です。
前者は打楽器が印象的で、特に「Can you feel the love tonight」から終曲への流れは大変エキサイティングです。
それに対し後者は海の音楽らしい柔らかい弦の美しさが筆舌に尽くしがたい。
正直、どちらの作品も音楽が良いのは知っていましたが、
20を過ぎた僕がディズニー音楽にここまで感動するとは思いませんでした。いや、びっくりです。
今だ絶大な人気を誇る作品の音楽をオーケストラとコーラスの編成の組曲としたものです。
特に後三作品はアラン・メンケン作曲であり好きな人も多いと思いますが、
これらの曲を聴くならぜひこのCDをお勧めします。
まず選曲がとても良いです。
『美女と野獣』で野獣の魔法が解けるあのシーンで流れた音楽、他のCDで聴いたことありますか?
このCDではきっちり演奏してくれるんです。『リトル・マーメイド』のラストのファンファーレ、
『ライオン・キング』のエンディングも同様。コーラス付きでこれでもかと盛り上げます。
何よりも演奏が素晴らしい。
指揮のエリック・カンゼルさんはポップスを多く録音されており、映画音楽には精通していると思われます。
彼の演奏は、原曲の雰囲気を壊さずそれでいて非常に熱いです。
一方コーラスは大学生であり特にリズムが難しい曲では所々傷も見られますが、
それを上回るパフォーマンス、パワーを発揮しています。
全体に、映画の付随音楽である原曲よりも、音楽それ自体を主役とした演奏として成り立っていると思います。
例えば、「パート・オブ・ユア・ワールド」では伴奏が控えめな原曲に比較して、
この音源ではオーケストラの合いの手も引き立ち、ボーカルに華を添えます。
他にも、原曲の新たな魅力を発見できること間違いなしでしょう。
最後に僕が個人的に好きなのは『ライオン・キング』組曲と『リトル・マーメイド』組曲です。
前者は打楽器が印象的で、特に「Can you feel the love tonight」から終曲への流れは大変エキサイティングです。
それに対し後者は海の音楽らしい柔らかい弦の美しさが筆舌に尽くしがたい。
正直、どちらの作品も音楽が良いのは知っていましたが、
20を過ぎた僕がディズニー音楽にここまで感動するとは思いませんでした。いや、びっくりです。