桐野夏生の原作に惚れ込んだ主演のかたせ梨乃は、役作りのため連日新宿の安モーテルに泊まり込だそうだ。おかげでスクリーンからは作品に対する熱意がひしひしと伝わってくる。ミロが住むマンションや家具、持ち物、服装、細部に至るところまで余念がない。
だがこの映画の欠点は、話を省略過ぎなうえに滔々としていることにある。本来ならば重要な伏線である「雨の化石」が終盤になって少しだけ登場するだけだし、なにしろ犯人が途中で判ってしまうのだ。
しかしながら友部を演じた大杉漣が素晴らしい。繊細で物腰の柔らかいゲイの感じが良く出ていた。まさに原作通りの“トモさん”だ。対象的にかたせ梨乃は、あの色っぽさが仇になった。「白い巨塔」でおどおどして図々しい主婦役を見て期待していただけに残念だ。
だが、ミロがどうして友部ではなく矢代を求めたのか-----わずかな表情だけでみせる彼女の演技は特筆すべきだろう。

登場人物少ない昔の日本映画って感じでヨカッタです。かたせりのイイ女です！！

金田石城作の着物を着たかたせ梨乃写真集。
ヌードとかは皆無。着物を見せるのがメインの写真集だからでしょうか。着物の柄は、黒、グレー、白、金のみ
のモノトーン柄で、墨の世界をイメージしてるとか。けどデザイン自体は、かたせさんが着ることを考えてかなりダ
イナミックなものになってます。
そういう着物写真集ではあっても、一番いいショットは髪の毛を赤のメッシュにしたかたせさんが黒い着物を
着、しかもブーツを履いていて太腿が着物の裾から見えるやつです（これが目当てで買ったようなもんです）。

収録曲
(1)さいざんす・マンボ(ザンス・ミックス・ヴァージョン)（トニー谷/宮城まり子）
(2)一気！（とんねるず）
(3)イエロー・サブマリン音頭（金沢明子）
(4)I'll Be Back Again…いつかは（TAKESHI&HIROSHI）
(5)こたつむすめでテケテケテ（野沢直子）
(6)邦子のアンアン小唄（山田邦子）
(7)染之助・染太郎のおめでとうございます（海老一染之助・染太郎）
(8)ムキムキマンのエンゼル体操（かたせ梨乃&カツヤクキン）
(9)俺はぜったいスーパー・スター（吉幾三）
(10)目蒲線物語（おおくぼ良太）
(11)演歌・血液ガッタガタ（バラクーダー）
(12)邦子のかわい子ぶりっ子(バスガイド篇)（山田邦子）
(13)私・湘南マタンゴ娘（高田暢彦/川崎徹）
(14)二人のメラメラ（鶴&JUN）
(15)結婚しようよ-彼女はもうすぐ26−（嘉門達夫）
(16)雨の西麻布（とんねるず）

１９８９年ビクター音楽産業、ＶＤＲＹ−２３００５

原作は田村泰次郎のベストセラー『肉体の門』。五社英雄監督による再映画化ということで話題になりました。戦後の混乱と餓えのなか「パンパン」と呼ばれた女性たちの姿をかたせ梨乃、加納みゆき、名取裕子、山咲千里、西川峰子といった女優陣に渡瀬恒彦、根津甚八ら男優を絡ませて描いていきます。廃墟同然の塒に、今にも落ちそうな大きな爆弾がぶら下がっているとの設定に新しさはあるものの、現代に訴えかけるものがあるとは言えません。何故、昭和63年に再映画化しなければならなかったのか、作品は何も語ってはくれないのですー。