バレンボイムが元気良すぎる… いくら何でも音デカすぎる(笑)そこだけマイナス点… 私が推測するにバレンボイムはいつも奥さんのジャクリーヌのチェロと共演していたからね、それと同じ調子でやっちゃったんだね… 若気の至りですなあ。

しかし、この盤を聴いてズカーマンは線が細いとか言われたんでは彼が可哀相な気がするね。ただでさえ偉大なるパールマンに隠れて影が薄いのに(笑)デビューしたのが「バーチュオーゾは偉い」「演奏は熱く明るく元気良く」って価値観(若い体育会系ミュージシャンが売れた、ワイセンベルグとか(笑)指揮者がこれまた、カラヤン、バーンスタイン、小澤さんと熱血教師キャラやし(笑))の七十年代前半だったってのが気の毒だったとしか言いようがない、今だからこそ、ズカーマンのクールで繊細な文学青年みたいなリリシズムを再評価してあげたいなあ。

これは数あるモーツアルトの廉価コンピレーション盤の中でも屈指の名盤です。聴覚セラピーという企画、目的・症状に応じた各ディスク内容、演奏水準の高さ、それに反する価格の安さ、どれをとっても文句のつけようがありません。

　

各ＣＤには次のようなタイトルがつけられています。

ＣＤ１：血行を促進する「癒し」のサプリ

ＣＤ２：代謝を高める「聴覚再生」のサプリ

ＣＤ３：頭脳を活性化する「脳イキイキ」のサプリ

ＣＤ４：免疫を高める「寛容」のサプリ

ＣＤ５：消化力を上げる「生活改善」のサプリ

ＣＤ６：ストレス解消「快眠」のサプリ

　

自己診断チェックシートを参考にしてディスクを選び、何も考えずに聴いているうちに自然と気持ちが落ち着いてきます。演奏はいずれも地味ですが立派なものです。

　特筆すべきはピアノ奏者。ソナタも協奏曲も全てアリシア・デ・ラローチャで統一されています。彼女の繊細なタッチはどの曲を聴いても心を安らかにしてくれます。特に第２楽章ばかりを集めたＣＤ６は一度聴いたら手放せません。ＣＤ３の１曲目と２曲目では東京クァルテットとピンカス・ズッカーマンの絶妙なアンサンブルが楽しめます。

単独のＣＤは現在入手困難のようですが、再発を切に希望します。

各曲解説もついているので単純にモーツァルトの音楽に触れてみたい方にもお薦めです。廃盤になる前に是非お試しを！