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タクシードライバー―最後の叛逆 (幻冬舎アウトロー文庫)
やってくれた。
このシリーズは、「狂想曲」も含めれば、全4作ある。
僕は、二冊読破して、次に手に取ったのがこの「タクシードライバー最後の叛逆」である。
いくら10年タクシードライバーをやっていたからと言っても4冊も書けば、どれかひとつ位イマイチな物もあるんだろうなぁ・・・と、思っていたが、まったくの杞憂であった。
骨太で、乾いた文章。
ただ、事実だけを淡々と述べる相変わらずの梁 石日節に魅了され、あっという間に読んでしまった。
相変わらず、面白い。
警察の姑息とも言える道交法違反の実態をこれでもかと言うくらいに断罪している。
確かに、これをそのまま体験したら、僕なんかタクシー運転手なんて辞めてしまうかも・・・。
官憲という権力にも果敢に挑む梁 石日の反骨精神はなんとも言えず、カッコいい。
ただ、飲酒運転に関して寛容な態度示している章があるが、これは・・・、どうなんだろうか?
飲酒を禁止されている他国の人達は、荒っぽい運転で事故は、日常茶飯事だという。
飲酒と、事故との因果関係は果たしてどこまであるのだろうか?と、梁 石日は疑問を呈しているが、コレに関しては、ちょっと日本人には受け入れずらい考えではないだろうか・・・。
僕としては、運転する以上は飲酒は控えてもらいたい。
でも、そんなことも含めて楽しく読めた一冊でした。
このシリーズは、「狂想曲」も含めれば、全4作ある。
僕は、二冊読破して、次に手に取ったのがこの「タクシードライバー最後の叛逆」である。
いくら10年タクシードライバーをやっていたからと言っても4冊も書けば、どれかひとつ位イマイチな物もあるんだろうなぁ・・・と、思っていたが、まったくの杞憂であった。
骨太で、乾いた文章。
ただ、事実だけを淡々と述べる相変わらずの梁 石日節に魅了され、あっという間に読んでしまった。
相変わらず、面白い。
警察の姑息とも言える道交法違反の実態をこれでもかと言うくらいに断罪している。
確かに、これをそのまま体験したら、僕なんかタクシー運転手なんて辞めてしまうかも・・・。
官憲という権力にも果敢に挑む梁 石日の反骨精神はなんとも言えず、カッコいい。
ただ、飲酒運転に関して寛容な態度示している章があるが、これは・・・、どうなんだろうか?
飲酒を禁止されている他国の人達は、荒っぽい運転で事故は、日常茶飯事だという。
飲酒と、事故との因果関係は果たしてどこまであるのだろうか?と、梁 石日は疑問を呈しているが、コレに関しては、ちょっと日本人には受け入れずらい考えではないだろうか・・・。
僕としては、運転する以上は飲酒は控えてもらいたい。
でも、そんなことも含めて楽しく読めた一冊でした。
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血と骨 コレクターズ・エディション [DVD]
主人公の、己の欲のみを軸とした暴力的な生涯。それに巻きこまれ、翻弄され、あるいは捨てられ、葬られてゆく人々の、救いようのないような凄惨な人間模様。眼を背けたくなるような光景でもリアルと感じたのは、ここまでひどくは無くてもよく似た人々を私が知っていると感じたからか。「えげつない」という形容詞がこれほどしっくり来る男にはなかなかお目にかからない。この映画をとおして崔監督が観客に伝えようとしたのは、あるいは複数の民族の眼から複眼的に見たリアルな昭和史であり、あるいは単純に、狂気と暴力に満ちた男のものがたりを媒体に、そうしなければ生き残れなかった時代を現代に投影するなにがしかのメッセージかもしれない。全体を貫く昭和のイメージは、窓から差し込む日の光、深夜の路地の闇のいろ、ふすまの質感、そんなディテールの忠実さで見事に表現されていた。
余計なことを考えずに、偏見を持たずに観るなら面白い映画。
余計なことを考えずに、偏見を持たずに観るなら面白い映画。
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夜を賭けて (幻冬舎文庫)
映画は前半、金義夫が逮捕されるまでを描いている。そのことで、「アパッチ」と並ぶ本書のもうひとつのテーマである、大村収容所の実態が映画には全く出てこない。大村収容所から帰ってきた金が、変わり果てた大阪兵廟をみるくだりは、ガルシア・マルケスの「百年の孤独」を思い起こさせる。在日朝鮮の人々にとっての経験の断絶は、45年の解放はいうまでもないが、「経済成長」が決定的であったことがよくわかる。
大村収容所の実態、ささやかながらこの大村収容所に異議を唱えた日本人たちの存在(映画ではこの役回り=「まともな日本人」を「警官」にするという、とんでもなくありえないことをしてしまっている)、50年代武装闘争路線下での在日活動家の経験・・・これらすべてが、アパッチの部落とともに、兵廟跡とともに、経済成長のなかで喪われていく。そうした経験の喪失に対する、抵抗の書として本書は読まれるべきかもしれない。
大村収容所の実態、ささやかながらこの大村収容所に異議を唱えた日本人たちの存在(映画ではこの役回り=「まともな日本人」を「警官」にするという、とんでもなくありえないことをしてしまっている)、50年代武装闘争路線下での在日活動家の経験・・・これらすべてが、アパッチの部落とともに、兵廟跡とともに、経済成長のなかで喪われていく。そうした経験の喪失に対する、抵抗の書として本書は読まれるべきかもしれない。
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家族シネマ [DVD]
映画の中で、映画を撮っているという構成だが、その映画の撮り方も半ドキュメンタリー的なため、
虚虚実実の判断がなかなかややこしい。そして、それこそがこの映画の狙いでありトリックだと思う。
つまり、家族という集合体が本来、虚構に満ちているのではないかということを、見ている我々は感じざるを得ない。
諦めにも近いニヒルでシニカルな笑いが、この映画を見ている者を襲うことだろう。
なんだかんだで家族再生をテーマにする映画が多い中、ここまで現実主義に徹した映画という意味でとても評価できると思う。
お父さんは、普段の時の喋りまで、やたら畏まった感じなのは、わざとなのか。
どこからがリアルで、どこからがパフォーマンスであるのか、
ここのラインが全く判断がつかないため、ますます父を魅力的にしていた。
あそこまで浮いていて、逆に味になるっていうのも、この映画のテーマが家族集団の混沌を描いているからだと思う。どこまでも出口はない。
虚虚実実の判断がなかなかややこしい。そして、それこそがこの映画の狙いでありトリックだと思う。
つまり、家族という集合体が本来、虚構に満ちているのではないかということを、見ている我々は感じざるを得ない。
諦めにも近いニヒルでシニカルな笑いが、この映画を見ている者を襲うことだろう。
なんだかんだで家族再生をテーマにする映画が多い中、ここまで現実主義に徹した映画という意味でとても評価できると思う。
お父さんは、普段の時の喋りまで、やたら畏まった感じなのは、わざとなのか。
どこからがリアルで、どこからがパフォーマンスであるのか、
ここのラインが全く判断がつかないため、ますます父を魅力的にしていた。
あそこまで浮いていて、逆に味になるっていうのも、この映画のテーマが家族集団の混沌を描いているからだと思う。どこまでも出口はない。
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血と骨〈上〉 (幻冬舎文庫)
こんな人が家族にいたら絶対に嫌だよね。
近所にいるだけでも嫌だ。
でも、その生き方には何故か引き付けられるものがある。
そんな主人公、金俊平の一生を書いた作品。
作者の実父がモデルとされているだけあって、
小説として誇張されている部分もあるのだろうが、
その存在感、リアリティーには圧倒される。
物語は1930年頃の大阪から始まる。
力で自分の好きなように生きる金俊平。
何故か無理やり妻にされてしまった英姫。
金俊平に振り回される親友の高信義。
金俊平の野放図な生き様と共に、貧しいながらも、
互いに助け合いながら生きる在日朝鮮人の生活が書かれる。
その助け合いの精神は殺伐とした現代では考えられません。
小説の技術としては、視点が定まっていない部分があります。
だけど、そんな欠点も気にならない位、この作品には読む者を圧倒する
骨太の骨と、熱い血が流れています。
凄い作品です。
近所にいるだけでも嫌だ。
でも、その生き方には何故か引き付けられるものがある。
そんな主人公、金俊平の一生を書いた作品。
作者の実父がモデルとされているだけあって、
小説として誇張されている部分もあるのだろうが、
その存在感、リアリティーには圧倒される。
物語は1930年頃の大阪から始まる。
力で自分の好きなように生きる金俊平。
何故か無理やり妻にされてしまった英姫。
金俊平に振り回される親友の高信義。
金俊平の野放図な生き様と共に、貧しいながらも、
互いに助け合いながら生きる在日朝鮮人の生活が書かれる。
その助け合いの精神は殺伐とした現代では考えられません。
小説の技術としては、視点が定まっていない部分があります。
だけど、そんな欠点も気にならない位、この作品には読む者を圧倒する
骨太の骨と、熱い血が流れています。
凄い作品です。