東村山を歩き尽くす まちの横顔探訪散策
まず、内容の充実にびっくりしました。東村山市の観光ガイドというと、東京都や、東京都多摩地区のガイドブックの最後の方に1ページくらいでほんのちょっとの案内しかないのが大半なのに、東村山市だけで1冊の本が出来上がるなんて、見所がたくさんあるおもしろい町なのだなと感じました。
「散策ガイド」となっていますが、世にあるガイドブックにありがちな通り一遍の説明ではなく、著者の主観がちょこちょこはさんであったり、歴史や謂れをふまえた上でそのスポットの見所を紹介しているので、エッセイのように「読み物」としても楽しめます。
そして、文章だけでなく、イラストがまたいい味だしてて、クスっとさせらせます。親父ギャグと紙一重ですが・・・。
生き物が好きな私にとっては、動植物についての写真や文章、イラストも沢山載っているのもうれしいところです。車や自転車に乗っていては発見できないような小さな花や昆虫が散歩を楽しくさせてくれそう。「こんなきれいな鳥が住宅街のすぐ近くに飛んでくるのか」「見たこともない不思議な植物が東京に生息していたなんて」と興味をそそります。
オビにある通り、「実際に歩いた延べ取材距離、なんと約200km!」はウソではないようです。
東村山市に興味のある方もない方も楽しめるガイドブックです。
「散策ガイド」となっていますが、世にあるガイドブックにありがちな通り一遍の説明ではなく、著者の主観がちょこちょこはさんであったり、歴史や謂れをふまえた上でそのスポットの見所を紹介しているので、エッセイのように「読み物」としても楽しめます。
そして、文章だけでなく、イラストがまたいい味だしてて、クスっとさせらせます。親父ギャグと紙一重ですが・・・。
生き物が好きな私にとっては、動植物についての写真や文章、イラストも沢山載っているのもうれしいところです。車や自転車に乗っていては発見できないような小さな花や昆虫が散歩を楽しくさせてくれそう。「こんなきれいな鳥が住宅街のすぐ近くに飛んでくるのか」「見たこともない不思議な植物が東京に生息していたなんて」と興味をそそります。
オビにある通り、「実際に歩いた延べ取材距離、なんと約200km!」はウソではないようです。
東村山市に興味のある方もない方も楽しめるガイドブックです。
東北は国のまほろば 日高見国の面影
長いタイトルだなあ。ん? 東北は国のまほろば…、どこかで聞いたことのあるような。頁をペラペラめくっていくと、氷解する。日本武尊(倭建命)が死に際に遺したあの「やまとはくにのまほろば たたなづく…」をもじったのか。日高見国ってどこのこと? 同様にめくっていくと、ふ〜ん、日本書紀にも出てくるのか。で、その面影って…。とまあ、なにやら謎めいた本だ。
本書は、古代から鎌倉幕府成立直後までの東北史の残像を、大まかにいうと年代を追って綴っている。聞き慣れない、耳慣れない事柄が様々に散りばめられている。自らの不勉強も原因だろうが、知らなかったことが多い。鎌足の生地が茨城の鹿島とあり、鎌足神社がその証拠だという。ホントかね、とググってみると、確かに鎌足神社はあり、地元でそこは産小屋のあったところと伝わっているそうだ(ただし、奈良にも生誕地と伝わる場所がある)。他にも、中部以北で数多く出土している不思議な形をした刀=蕨手刀(わらびてとう)が日本刀の原点なのでは、との記述も興味をそそった。その解説は本書に譲るとして、読み進んでいくと、著者が「面影」に込めた意味が朧げながら分かってくる、ような気がする。
今から約1千年前に起こった貞観の大地震・大津波も出てくる。先般の大震災で俄かに注目されることとなった大災害だ。しかしその記録は日本三代実録という正史に数行出てくるのみだそうだ。それでも原文の引用を読むと、あの時の再来と誰もが胸を詰まらせるのではないか。本書によれば、それから約4年後、彼の地は復興を遂げ、新たな歩みを始めた、とある。
消えては隠れ、霧の向こうに霞んだかと思うと現れる東北史の数々。静かな気持ちで、ゆっくりと読んでほしい1冊だと思う。
本書は、古代から鎌倉幕府成立直後までの東北史の残像を、大まかにいうと年代を追って綴っている。聞き慣れない、耳慣れない事柄が様々に散りばめられている。自らの不勉強も原因だろうが、知らなかったことが多い。鎌足の生地が茨城の鹿島とあり、鎌足神社がその証拠だという。ホントかね、とググってみると、確かに鎌足神社はあり、地元でそこは産小屋のあったところと伝わっているそうだ(ただし、奈良にも生誕地と伝わる場所がある)。他にも、中部以北で数多く出土している不思議な形をした刀=蕨手刀(わらびてとう)が日本刀の原点なのでは、との記述も興味をそそった。その解説は本書に譲るとして、読み進んでいくと、著者が「面影」に込めた意味が朧げながら分かってくる、ような気がする。
今から約1千年前に起こった貞観の大地震・大津波も出てくる。先般の大震災で俄かに注目されることとなった大災害だ。しかしその記録は日本三代実録という正史に数行出てくるのみだそうだ。それでも原文の引用を読むと、あの時の再来と誰もが胸を詰まらせるのではないか。本書によれば、それから約4年後、彼の地は復興を遂げ、新たな歩みを始めた、とある。
消えては隠れ、霧の向こうに霞んだかと思うと現れる東北史の数々。静かな気持ちで、ゆっくりと読んでほしい1冊だと思う。