乾いた花 [VHS]
ヤクザ映画だとどうしても実録物を思い出しがちですが
鈴木清順監督作品と並ぶ異色ヤクザ映画の一つと今作はいえます。
石原慎太郎氏がええ・・今みたくお偉くなる前で、まあ反体制側にいて
好き放題暴れていた時期の小説なので見応えは十分ありました。
組のため一肌脱ぎ、懲役を終えた男の前に現れた女。
男はヤクザの鑑のような扱いを受けるも形容しがたい矛盾を感じ、女は物質的には
満足なはずなのに決定的な部分が満たされてなかった。
彼らは違法な花札賭博を介して、その瞬間のスリルを生きる。
いつしか肉欲以上の悦楽、究極のシンパシーが彼らの乾いた心に響いて憑依する。
この感覚は、派手な銃撃戦よりも危険で極限だといえます。
武満徹の鋭く、時にはバロック音楽を使用し、廃墟を吹き抜ける風のような音楽が篠田正浩監督
の独創的なビジュアルにエッジをかけています。
派手さはありませんが、ここまでスタイリッシュで幻想的なのにちゃんと地に足着いたヤクザ映画
は中々珍しく、国宝級といえるでしょう。
鈴木清順監督作品と並ぶ異色ヤクザ映画の一つと今作はいえます。
石原慎太郎氏がええ・・今みたくお偉くなる前で、まあ反体制側にいて
好き放題暴れていた時期の小説なので見応えは十分ありました。
組のため一肌脱ぎ、懲役を終えた男の前に現れた女。
男はヤクザの鑑のような扱いを受けるも形容しがたい矛盾を感じ、女は物質的には
満足なはずなのに決定的な部分が満たされてなかった。
彼らは違法な花札賭博を介して、その瞬間のスリルを生きる。
いつしか肉欲以上の悦楽、究極のシンパシーが彼らの乾いた心に響いて憑依する。
この感覚は、派手な銃撃戦よりも危険で極限だといえます。
武満徹の鋭く、時にはバロック音楽を使用し、廃墟を吹き抜ける風のような音楽が篠田正浩監督
の独創的なビジュアルにエッジをかけています。
派手さはありませんが、ここまでスタイリッシュで幻想的なのにちゃんと地に足着いたヤクザ映画
は中々珍しく、国宝級といえるでしょう。
<あの頃映画> 乾いた花 [DVD]
子供の頃、大根役者と思っていた池部良のかっこよさ、俳優としての存在感をはじめてリアルタイムで感じさせてくれたのがこの作品でした。当時、あの東宝の2枚目の池部良のやくざ役への起用は、当時、意表をついたキャスティングで、ヌーベルバーグが若い監督に新しい映画作りへと突き動かしていた時代でした。加賀まりこがデビューして2作目だったか。当時は妖精と言われていました。この映画、とにかく池部良のカッコ良さに痺れた。以降、池部良はヤクザ役で多くの東映映画、とりわけ、高倉健と共演した「昭和残侠伝」はあまりにも有名。まだDVD化されてないのが、残念。この映画は傑作だと思います。早期のDVD化を期待します。