EMOTION the Best Simoun(シムーン) DVD-BOX
偶然この作品を公式ウェブサイトで知ったときに、何かしら惹かれるものがあると感じて、いきなりDVDを購入しました。そして、買って損はなかった、どころか、とても良い買い物をしたと思っています。
正直に言えば、商業的には失敗している作品だと思います。まず何よりも〈唯一の神に対する様々な信仰〉を背景にした〈三国間の戦争〉という設定そのものが複雑すぎて、物語のあらすじが一見しただけでは分からない。加えて、頻出する専門用語がその舞台設定の理解をさらに難しくしています。きっとTV放送時は序盤の話に着いて行けない人が続出したことでしょう。しかし、だからこそ、この機会にDVDで一気に鑑賞してほしいと思います。作品全体としての出来は素晴らしく、私がこれほど真剣に見たTVアニメ作品はほとんどありません。
公式サイトによれば、根本的な世界観の設定は、〈人間は必ず「女性」として生まれてくる。そして17歳になると「泉」へ向かい、そこで性別を選び「大人」になる〉です。私は少々時代掛かっていると思いましたね。人によっては、萩尾望都の『マージナル』などを連想されるかもしれない。実際、この作品は「少女」から「大人」へというテーマに貫かれた Sci-Fi であるという点で、むしろ「24年組」の少女漫画の系譜に属すると言うこともできると思います。そういうテーマを2006年に改めて描いた「シムーン」がドラマチックなのは、やはりこのテーマに普遍的な魅力があるからでしょう。
それ以外にも「シムーン」の魅力は多岐に渡っています。たとえば、BGM やメカニック・デザインの美しさは多くのレヴューアーがご指摘くださっている通り。私は、心の中に一杯の矛盾を抱えた思春期の少女たちと、美しく神聖な〈神の乗機〉であるとともに〈オーバーテクノロジ―兵器〉でもあるという矛盾を抱えた「シムーン」とが、物語中で見事に織り合わされて、稀有の青春群像劇になっている点に格別の魅力を感じました。
まだ大人ではない少女であるということ、戦争の恐ろしさ、信仰をめぐる対立、社会階級の格差、性を選ぶこと、パートナーを選ぶこと、友を失うこと、自分の「思春期の痛さ」を肯定すること ――。決して娯楽的とは言いがたい戦争を舞台にした物語が進行するに従って、十人以上いる主要な登場人物たちが皆、一言では言い表せないようなそれぞれの個性を獲得し、人間的に成長する点が何より素晴らしい。第一話と最終話とでは、皆ほとんど別人なのです!(良い物語はこうあるべきです。)その物語の結末には、大人になった少女たちの「少女であった時」を肯定するための切なる祈り、その祈りがいわく言いがたい悲しい余韻を響かせている。決して「百合」だとか「美しい」だとか言うだけで、簡単に片付けてほしくない名作です。
正直に言えば、商業的には失敗している作品だと思います。まず何よりも〈唯一の神に対する様々な信仰〉を背景にした〈三国間の戦争〉という設定そのものが複雑すぎて、物語のあらすじが一見しただけでは分からない。加えて、頻出する専門用語がその舞台設定の理解をさらに難しくしています。きっとTV放送時は序盤の話に着いて行けない人が続出したことでしょう。しかし、だからこそ、この機会にDVDで一気に鑑賞してほしいと思います。作品全体としての出来は素晴らしく、私がこれほど真剣に見たTVアニメ作品はほとんどありません。
公式サイトによれば、根本的な世界観の設定は、〈人間は必ず「女性」として生まれてくる。そして17歳になると「泉」へ向かい、そこで性別を選び「大人」になる〉です。私は少々時代掛かっていると思いましたね。人によっては、萩尾望都の『マージナル』などを連想されるかもしれない。実際、この作品は「少女」から「大人」へというテーマに貫かれた Sci-Fi であるという点で、むしろ「24年組」の少女漫画の系譜に属すると言うこともできると思います。そういうテーマを2006年に改めて描いた「シムーン」がドラマチックなのは、やはりこのテーマに普遍的な魅力があるからでしょう。
それ以外にも「シムーン」の魅力は多岐に渡っています。たとえば、BGM やメカニック・デザインの美しさは多くのレヴューアーがご指摘くださっている通り。私は、心の中に一杯の矛盾を抱えた思春期の少女たちと、美しく神聖な〈神の乗機〉であるとともに〈オーバーテクノロジ―兵器〉でもあるという矛盾を抱えた「シムーン」とが、物語中で見事に織り合わされて、稀有の青春群像劇になっている点に格別の魅力を感じました。
まだ大人ではない少女であるということ、戦争の恐ろしさ、信仰をめぐる対立、社会階級の格差、性を選ぶこと、パートナーを選ぶこと、友を失うこと、自分の「思春期の痛さ」を肯定すること ――。決して娯楽的とは言いがたい戦争を舞台にした物語が進行するに従って、十人以上いる主要な登場人物たちが皆、一言では言い表せないようなそれぞれの個性を獲得し、人間的に成長する点が何より素晴らしい。第一話と最終話とでは、皆ほとんど別人なのです!(良い物語はこうあるべきです。)その物語の結末には、大人になった少女たちの「少女であった時」を肯定するための切なる祈り、その祈りがいわく言いがたい悲しい余韻を響かせている。決して「百合」だとか「美しい」だとか言うだけで、簡単に片付けてほしくない名作です。
Simoun (シムーン) 1 [DVD]
凄く賛否が別れる作品ですが、私的には結構ヒットしています。
百合的要素が濃厚なので拒絶される方も多いようですが、
それ以前に作品の方向性に戸惑いを感じている意見が多いように
感じます。(質的な問題は・・・ちょっと置いておくとして)
これって萩尾望都先生や竹宮恵子先生ら24年組の方々が描かれていた
作品でテーマにされていた社会的、性的モラトリアムに置かれた少女の
心理が根底にあるようです。
そういう観方をすれば、これは大変面白いと思う。
(戦争はあくまで背景なのかもしれません。)
この作品の落とし所が結局何なのか、終わってみないと解りませんが
現在の段階では良い方向ではあるのでは?
ただ第2話の作画レベルは残念ですが・・・。
百合的要素が濃厚なので拒絶される方も多いようですが、
それ以前に作品の方向性に戸惑いを感じている意見が多いように
感じます。(質的な問題は・・・ちょっと置いておくとして)
これって萩尾望都先生や竹宮恵子先生ら24年組の方々が描かれていた
作品でテーマにされていた社会的、性的モラトリアムに置かれた少女の
心理が根底にあるようです。
そういう観方をすれば、これは大変面白いと思う。
(戦争はあくまで背景なのかもしれません。)
この作品の落とし所が結局何なのか、終わってみないと解りませんが
現在の段階では良い方向ではあるのでは?
ただ第2話の作画レベルは残念ですが・・・。
テレビ東京系アニメーション「Simoun(シムーン)」オリジナルサウンドトラックII
通常、TVアニメや特撮の劇伴って、1分〜1分半、長くて2分ちょっとくらいのものが多いように感じますが、
このシムーンサントラ'Uはほとんどが2分〜2分半、長いものでは3分半に及びます。
じっくり聞き応えのあるBGMが多いと思います。
癒し系のクラシックサウンドが多いのが魅力。
前回のサントラでは「タンゴ」がキーワードでしたが、今回はワルツ。
同じワルツの曲ですがアレンジ違いが全部で8曲あります。
それぞれ聞き比べてみるのも楽しいと思います。
ストリングスやハープ、アルトサックスなど、どの楽器も優しい音色を奏でていて素晴らしい。
2006年では一番多く聞いたサントラです。佐橋俊彦氏の作品の中でも、特に好きです。
(ベスト5に入るくらい)
トラック4「歴史は語る」と25「空に描く夢」が特にお気に入りです。
ちょっと通常のCD屋では買いづらいジャケかもしれませんが、凄くいいです。
聞いてみてください。
このシムーンサントラ'Uはほとんどが2分〜2分半、長いものでは3分半に及びます。
じっくり聞き応えのあるBGMが多いと思います。
癒し系のクラシックサウンドが多いのが魅力。
前回のサントラでは「タンゴ」がキーワードでしたが、今回はワルツ。
同じワルツの曲ですがアレンジ違いが全部で8曲あります。
それぞれ聞き比べてみるのも楽しいと思います。
ストリングスやハープ、アルトサックスなど、どの楽器も優しい音色を奏でていて素晴らしい。
2006年では一番多く聞いたサントラです。佐橋俊彦氏の作品の中でも、特に好きです。
(ベスト5に入るくらい)
トラック4「歴史は語る」と25「空に描く夢」が特にお気に入りです。
ちょっと通常のCD屋では買いづらいジャケかもしれませんが、凄くいいです。
聞いてみてください。
Simoun (Yuri-Hime COMICS)
巻数が振られてなかったから発売前から気づいた人も多いはず。
そうです、Simounは1冊完結作品。
構成は三話+サイドストーリー8頁(書き下ろし)
話はいたって明解、新人パイロットのアーエルがエースパイロット*1であるネヴィリルに“一緒に飛んで欲しい”*2と願い、ネヴィリルはある事情から“嫌”なのではなく、“怖い”とこれを拒む。
あたしはこんなにあなたと飛びたいと願っているのに…という2人のお話。
百合コミックということですが、情愛や性愛というより、友愛。
「共に空を飛ぶパートナーとしてあなたが好き」とかそんなカンジですね。
あとは、アニメとの比較で言うと、ストーリーはオリジナルです。
キャラの雰囲気も若干違う印象。
かなり初期の草案だけもらって、ある程度自由にやらせてもらってるのかも知れません(連載開始が05年7月の雑誌ですし)。
ちなみに登場人物はアーエル・ネヴィリル・パライエッタ・マミーナ・ロードレアモンだけ。
シムーンで空を飛ぶのもワンシーンのみ。
何か出来事が巻き起こるでもなし、シムーンで飛んだり戦ったりするでもなし。
人と人のドラマに完全に焦点が絞られた作品で、雰囲気や絵柄など世界観が個人的には結構気に入りました。
題材は良いだけにもっと見てみたかったですし、もっと話を広げて連載してもらいたかったですねー。
そうです、Simounは1冊完結作品。
構成は三話+サイドストーリー8頁(書き下ろし)
話はいたって明解、新人パイロットのアーエルがエースパイロット*1であるネヴィリルに“一緒に飛んで欲しい”*2と願い、ネヴィリルはある事情から“嫌”なのではなく、“怖い”とこれを拒む。
あたしはこんなにあなたと飛びたいと願っているのに…という2人のお話。
百合コミックということですが、情愛や性愛というより、友愛。
「共に空を飛ぶパートナーとしてあなたが好き」とかそんなカンジですね。
あとは、アニメとの比較で言うと、ストーリーはオリジナルです。
キャラの雰囲気も若干違う印象。
かなり初期の草案だけもらって、ある程度自由にやらせてもらってるのかも知れません(連載開始が05年7月の雑誌ですし)。
ちなみに登場人物はアーエル・ネヴィリル・パライエッタ・マミーナ・ロードレアモンだけ。
シムーンで空を飛ぶのもワンシーンのみ。
何か出来事が巻き起こるでもなし、シムーンで飛んだり戦ったりするでもなし。
人と人のドラマに完全に焦点が絞られた作品で、雰囲気や絵柄など世界観が個人的には結構気に入りました。
題材は良いだけにもっと見てみたかったですし、もっと話を広げて連載してもらいたかったですねー。
シムーン 異薔薇戦争 封印のリ・マージョン(初回限定版)
発売もされておらず、システムもそれほど多く発表はされてないので評価しようもないのですが…
どうやら舞台は本編9話〜14話ということ。これはDVD組にとっては発売延期も朗報。
そのころにはDVD第5巻も発売されているであろうし。ちゃんと予習ができるわけですから。
既にOPムービーは公開されていますが、クオリティは高いと思います。SAVAGE GENIUSの主題歌もかなり素敵!
百合的なイベントは勿論、割と戦闘に期待しているのです。リ・マージョンなどの演出も楽しみ。
(一応百合ゲー?な)アカイイトでは、CEROだかメディ倫だかで女性同士のキスの絵がNGだった
という話も聞きましたが、シムーンからキスをとったら話が進まないので…大丈夫ですよね?
どうやら舞台は本編9話〜14話ということ。これはDVD組にとっては発売延期も朗報。
そのころにはDVD第5巻も発売されているであろうし。ちゃんと予習ができるわけですから。
既にOPムービーは公開されていますが、クオリティは高いと思います。SAVAGE GENIUSの主題歌もかなり素敵!
百合的なイベントは勿論、割と戦闘に期待しているのです。リ・マージョンなどの演出も楽しみ。
(一応百合ゲー?な)アカイイトでは、CEROだかメディ倫だかで女性同士のキスの絵がNGだった
という話も聞きましたが、シムーンからキスをとったら話が進まないので…大丈夫ですよね?