サマーヌード [DVD]
本作は今や東宝+小学館の大作「彩恋」を監督するまでになった、飯塚健のデビュー作であるが、本作が一番勢いがあって良い。主演の野波麻帆と今井雅之、きたろう、この三人以外は素人みたいなものであり、自然光撮影の良し悪しも目立ったが、とにかくホンに勢いがあるので、全く飽きさせることがない。特に野波麻帆のキュートさは特筆もので、こんなに可愛く撮られているのは本作だけだろう。普段は助演が多いしね。加えて石垣島の風情や空気感も十二分に感じられて、お勧めである。それなのに、最近の飯塚作品はだんだん尻すぼみしてきたような・・・(笑)。若い監督、というのは全くハンデにはならない。「タイヨウのうた」の小泉監督だって同じようなものだから。それに徳永えりや関めぐみといった一級の女優たちと組んできているのに、作品ごとに質が落ちていくってのは考えものだぞ。飯塚組の最大の特徴は、本作にも見られる「たくさんの人物が色々なエピソードを作って、最後は大団円」というものだが、実のところ大団円なのは本作だけなのだ(苦笑)。ぜひ次回作は「サマーヌード」の再来と思えるものを送り出してほしい。そうしないと「フロックかな?」と思ってしまうので。本作は文句なしの星4つ進呈。