野ブタ。をプロデュースシナリオBOOK
近年稀にみる〈繰り返しの鑑賞に堪える〉名作のシナリオブック。
木皿泉さんの前作「すいか」は向田邦子賞を受賞したが、本作もそれに勝るとも劣らぬ素晴らしい出来栄えだ。
一見しただけでは分からない重層的で詩的言語に満ちたこのドラマを骨までしゃぶり尽くしたい(笑)人には必携の一冊に違いない。
本編でカットされたシーンに想いを馳せるのもよし、山下くんのアドリブの凄まじさに驚くのもよし、このドラマを愛するすべての人に読んでもらいたい。
読んでいると今にも「野ブタパワー注入!」の声が聞こえてきそうだ。
木皿泉さんの前作「すいか」は向田邦子賞を受賞したが、本作もそれに勝るとも劣らぬ素晴らしい出来栄えだ。
一見しただけでは分からない重層的で詩的言語に満ちたこのドラマを骨までしゃぶり尽くしたい(笑)人には必携の一冊に違いない。
本編でカットされたシーンに想いを馳せるのもよし、山下くんのアドリブの凄まじさに驚くのもよし、このドラマを愛するすべての人に読んでもらいたい。
読んでいると今にも「野ブタパワー注入!」の声が聞こえてきそうだ。
女王の教室 special edition~the best selection of 池頼広~
スペシャルで作られ収録された曲は9曲。放送時のイメージが再現された歌詞入りの組曲は秀逸。訳詩が載っています。(女王の教室スペシャルの曲はドラマ自体本編よりダークな内容なのでどちらかというと恐い感じ。)テレビシリーズの「あおげばとうとし」のフルートが心地いい。今回は「野ブタ」「負け犬」なども入って作曲者の色が強い。「こんな曲もつくるのかなかなかいいなあ」と聞き入っていました。ボーナストラックと併せて休日のひとときのBGMにGOODです。「野ブタ」はコミカルな楽曲。「負け犬の遠吠え」は聞き易いカフェのBGM風。最後はラストプレゼントで穏やかに終わります。ボーナストラックにボリュームがあるためか「女王の教室スペシャル」色が少ないのでそれだけに染まりたい人には物足りないかも。o.s.tと併せてお聞きください。
野ブタ。をプロデュース o.s.t オリジナル・サウンドトラック
学校を舞台にした話だったけど、単なる学園ドラマじゃなかった。
人が生きていく上で感じる
孤独、不安、もどかしさ、
優しさ、愛情、信じあうこと、
そして もう二度と戻らない瞬間をいとおしむ気持ち。
言葉を切り詰めたドラマの中で、控えめに、切なく、しかし雄弁に
語ってくれたのはこれらの曲だった。
「寂しいときに、一人で・・・」。冒頭の木管楽器のソロが哀愁を
そそる。そういえば、学校の放課後、こんな音がいつも聞こえてた・・・。
「自転車通学」。眠たいような不安感と期待が、朝の冷たい空気の
中で、騒がしい街角で目を覚ます。高校生が一番モノを考える時、
それは自転車に乗っている時なんじゃないだろうか。そんな事を
思い出させてくれた。
傑作ドラマを彩った素晴らしい楽曲たち、くすんだ宝石のような。
人が生きていく上で感じる
孤独、不安、もどかしさ、
優しさ、愛情、信じあうこと、
そして もう二度と戻らない瞬間をいとおしむ気持ち。
言葉を切り詰めたドラマの中で、控えめに、切なく、しかし雄弁に
語ってくれたのはこれらの曲だった。
「寂しいときに、一人で・・・」。冒頭の木管楽器のソロが哀愁を
そそる。そういえば、学校の放課後、こんな音がいつも聞こえてた・・・。
「自転車通学」。眠たいような不安感と期待が、朝の冷たい空気の
中で、騒がしい街角で目を覚ます。高校生が一番モノを考える時、
それは自転車に乗っている時なんじゃないだろうか。そんな事を
思い出させてくれた。
傑作ドラマを彩った素晴らしい楽曲たち、くすんだ宝石のような。
野ブタ。をプロデュース (河出文庫)
無知を衒うつもりはありませんが、テレビ化されたことと亀梨という男の子が出ていたこと、プロデュースされていたのが同級生と思しき女の子であったこと、以上がこの本を手に取った時に僕が持ち合わせていた予備知識でした。だから、読み始めてすぐに「野ブタ」の由来の記述に一瞬思考停止してしまいました。結論から言えば、とても楽しめました。いじめる側も、いじめられる側も、そしてその間でうまく立ち回っている大多数の側も、みんなが不安定な時期だけに、「こういうラストもありかな」という説得力もありつつ。小説としてのカタルシスが得られるかと言えば、それはまた疑問ですが。同じ話題になった作品でも、「蛇にピアス」なんかよりはずっと若い人の生身の手ごたえが感じられる文章とストーリーでした。でも、最近テレビで見たCMかなにかで女の子が独白のように「人と違うことをして仲間はずれにされるのが怖くて・・・」とか言ってましたが、本当に怖いのは「野ブタ」のように、「人と同じことしてるのに仲間はずれされること」ですよね。現実にはゴロゴロしてますが。だから逆にこの作品が肯定的に思えるのかもしれません。