地球戦争 4 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
(少しあらすじに触れています)
空から飛来した三脚兵器で大英国を瓦礫の山と化した宇宙人は、疫病でほぼ全滅。
彼らが運んで来た動植物で植生も外観も変わり果てたロンドンを前に、生き残った青少年たちが次代の覇権を掛けて鎬を削り始める。
再び両親を探す旅に出た貴族の娘アリスに、仲間の居場所を確保したから付きあう勇敢なオリバー。
道中彼らが観たのは戦勝に酔う人間達が宇宙人の死体を吊るし、その使役動物である臍のない「人間もどき」を晒しものにする蛮行であった…。
繊細で誇り高い少年少女の描写に定評がある小原氏による、「宇宙戦争」の翻案物、オリジナルストーリーによる新章に突入です。
タイトル「地球戦争」の意味も少しずつ明らかになって生きます。
外敵が自滅後、残された人類たちが今後、どうなって行くかに焦点を当て、益々目を離せなくなる展開を見せます。
挿話の高級店ハロウズを守る老支配人の哀愁と誇りに満ちた描写も見事。
続けてお読みの方には文句なしのお薦めである第4巻。
今回は姿を見せなかった本作のキーマンの一人である若き野心家「グレイヴ」の再登場も待遠しい限りです。
小学館月刊スピリッツ! 2014年3-8月号掲載分に巻末番外編5頁がオマケに付いています。
空から飛来した三脚兵器で大英国を瓦礫の山と化した宇宙人は、疫病でほぼ全滅。
彼らが運んで来た動植物で植生も外観も変わり果てたロンドンを前に、生き残った青少年たちが次代の覇権を掛けて鎬を削り始める。
再び両親を探す旅に出た貴族の娘アリスに、仲間の居場所を確保したから付きあう勇敢なオリバー。
道中彼らが観たのは戦勝に酔う人間達が宇宙人の死体を吊るし、その使役動物である臍のない「人間もどき」を晒しものにする蛮行であった…。
繊細で誇り高い少年少女の描写に定評がある小原氏による、「宇宙戦争」の翻案物、オリジナルストーリーによる新章に突入です。
タイトル「地球戦争」の意味も少しずつ明らかになって生きます。
外敵が自滅後、残された人類たちが今後、どうなって行くかに焦点を当て、益々目を離せなくなる展開を見せます。
挿話の高級店ハロウズを守る老支配人の哀愁と誇りに満ちた描写も見事。
続けてお読みの方には文句なしのお薦めである第4巻。
今回は姿を見せなかった本作のキーマンの一人である若き野心家「グレイヴ」の再登場も待遠しい限りです。
小学館月刊スピリッツ! 2014年3-8月号掲載分に巻末番外編5頁がオマケに付いています。
地球戦争(1) (ビッグコミックス)
産業革命期を過ぎたロンドンの、貧困孤児の少年の視点に物語は進み、不意に現れる巨大な兵器の存在に日常をリセットされます。ただ、この作品では物語のスケールの大きさに一番の重きを置いている訳ではなく、少年達が生きる事をどう理解していくかにより焦点をあてていて、戦闘シーンなどを期待されている方にはやや不満が残るかもしれません。ただ、絶対的で困難な状況にあって、「階級」が消失して個人の地位が平になったことから、社会ではなく世界を「生きる」ことの力強さのようなものがダイレクトに書かれています。状況は現実を遠く離れてスリリングで刺激的なものになっていますが、何もないから自分たちの力で生き抜いていく、普遍的な少年少女の成長潭が書かれています。