パゾリーニ・コレクション ソドムの市 (オリジナル全長版) [DVD]
原作はマルキ・ド・サドの「ソドムの120日」です。舞台は第二次世界大戦終戦直前のイタリア郊外。エスカレ-トしてゆく欲望・残虐行為が本能のままに繰り広げられていく「異常な」映像世界です。終盤に、加害者側であった「ビアニスト役の女性」が投身自殺するたった数秒の場面がありますが、「これは、残された小さな人間の良心を表現した唯一の場面だったのかな?」と思わせるシ-ンでした。
好き嫌いは別として、人間の「性悪説」を徹底的に実践している作品だと思いました。ただ、残虐的場面に限れば、それは今のホラ-映画の方が酷いでしょう。
この作品は、作品以外にある「含み」を知りたいと思わせる、「動物=人間」を赤裸々に映し出した、ある叙事詩だと思っています。 「パゾリ-ニ監督は何を意図してこれを撮ったのか?」、他の作品『デカメロン』『カンタベリー物語』、『アラビアン・ナイト』『豚小屋』『王女メディア』など・・・レンタルできる作品が豊富にあるので、時間を見つけて観ようと思っています。
好き嫌いは別として、人間の「性悪説」を徹底的に実践している作品だと思いました。ただ、残虐的場面に限れば、それは今のホラ-映画の方が酷いでしょう。
この作品は、作品以外にある「含み」を知りたいと思わせる、「動物=人間」を赤裸々に映し出した、ある叙事詩だと思っています。 「パゾリ-ニ監督は何を意図してこれを撮ったのか?」、他の作品『デカメロン』『カンタベリー物語』、『アラビアン・ナイト』『豚小屋』『王女メディア』など・・・レンタルできる作品が豊富にあるので、時間を見つけて観ようと思っています。
鬼才ピエル・パオロ・パゾリーニ 3枚セットDVD ~生誕90年特別限定セット~
サドの精神に同化したパゾリーニは確かに芸術的な(所謂)大変態だったのだろう。しかもスカトロを好むところは汎鑑賞家を自認する私でももう見たくない(見ても仕方がない)シーンだ。撮影後、何度も車の下になったとき、「ああ!俺のしたことは正しかったのだ!」と叫んでいたに違いない。この墜ちた大芸術家に乾杯だ。
So drink to me drink to my health,
You know i can't drink any more....(Paul McCartney)
So drink to me drink to my health,
You know i can't drink any more....(Paul McCartney)
ソドム百二十日 (河出文庫)
『ソドム120日』で語られる放蕩の120日が始まる前の、いわば序章部分の翻訳。4人の非道哲学者は、語り部にさまざまな放蕩を語らせることによって、人間のあらゆる情欲を分析しようと試みる。その方法はもちろん、経験論に基づく実践、つまりサディスティックな饗宴ということになる。原稿を紛失した際、サドが「血の涙を流した」ことからも分かるように、この作品には彼のすべてがあるといっても過言ではない。「すべてを言」おうとする百科全書的精神、ひとを寄せつけない舞台装置としての城、延々と反復される哲学論議と饗宴の描写、語られる美と描かれる醜、数字への偏執的なこだわり、などなど。本書は抄訳だが、こういったサド的世界の雛型として十分に通用する部分が訳されているので、サド入門として恰好の一冊と言えるだろう。
澁澤節がよほど嫌いでない限りおすすめです。
澁澤節がよほど嫌いでない限りおすすめです。
ソドムの映画市―あるいは、グレートハンティング的(反)批評闘争 (映画秘宝COLLECTION (2))
中原昌也氏が70年代のゴア系や胡散臭系の主にスプラッター映画についてあの独特の文体で語りつくす異色の映画エッセイです。非常に濃い内容ですが、氏のファンは必読です。