大阪「鶴橋」物語―ごった煮商店街の戦後史
鶴橋は、JR環状線と近鉄奈良線の乗り換えの駅を中心に四方に発達した商店街を持っています。それも戦後の闇市を彷彿とする実にユニークな「市場」の面影がある商店街です。
本書は、疎開空地に作られた鶴橋の成り立ちに着目として書かれたものです。特に戦後すぐの闇市時代の鶴橋、復興期の繁栄振りを紹介しながら、この特徴あるエリアを分析し、紹介しています。古い商店街の写真も掲載してありますので、懐かしさを覚える人もいるでしょう。
鶴橋西商店街は西日本一とも言える焼肉店のメッカになっていますし、JR鶴橋駅の東側は迷路のような路地にそって、韓国の物産、衣料、キムチを始めとする食品などを扱った鶴橋国際マーケットが広がっています。
本書でも書かれているように、近鉄鶴橋駅の東改札口は、近鉄の線路以外は四方を市場が取り囲んでおり、電車を降りた瞬間、様々な匂いに包まれると言う異空間が広がっています。まるで時計の針を数十年ほど巻き戻したような街の風景は懐かしく、かつ雑多な店が絡み合い、路地の奥に足を踏み入れるのを躊躇するような場所すらありました。まさしく「手つかずの昭和二十年代」が残る、ラビリンスとも言える大阪のたくましさを如実に感じる庶民の商店街です。
107ページのコラムにあるように、チョゴリの美しさは際立っており、この街を歩く時、そのカラフルな衣装の陳列を見ていると、ソウルの街を彷徨っているかのような感じを受けるものでした。
筆者の藤田綾子さんは鶴橋に住むフリーライターで、この街に愛着をもってその発展してきた歴史を本書でたどり、愛情をもって街の多くの人々にインタビューし、人々の生き様や歴史を浮き彫りにしてくれました。
本書は、疎開空地に作られた鶴橋の成り立ちに着目として書かれたものです。特に戦後すぐの闇市時代の鶴橋、復興期の繁栄振りを紹介しながら、この特徴あるエリアを分析し、紹介しています。古い商店街の写真も掲載してありますので、懐かしさを覚える人もいるでしょう。
鶴橋西商店街は西日本一とも言える焼肉店のメッカになっていますし、JR鶴橋駅の東側は迷路のような路地にそって、韓国の物産、衣料、キムチを始めとする食品などを扱った鶴橋国際マーケットが広がっています。
本書でも書かれているように、近鉄鶴橋駅の東改札口は、近鉄の線路以外は四方を市場が取り囲んでおり、電車を降りた瞬間、様々な匂いに包まれると言う異空間が広がっています。まるで時計の針を数十年ほど巻き戻したような街の風景は懐かしく、かつ雑多な店が絡み合い、路地の奥に足を踏み入れるのを躊躇するような場所すらありました。まさしく「手つかずの昭和二十年代」が残る、ラビリンスとも言える大阪のたくましさを如実に感じる庶民の商店街です。
107ページのコラムにあるように、チョゴリの美しさは際立っており、この街を歩く時、そのカラフルな衣装の陳列を見ていると、ソウルの街を彷徨っているかのような感じを受けるものでした。
筆者の藤田綾子さんは鶴橋に住むフリーライターで、この街に愛着をもってその発展してきた歴史を本書でたどり、愛情をもって街の多くの人々にインタビューし、人々の生き様や歴史を浮き彫りにしてくれました。
おれは裸だ [VHS]
同時期に量産されていた女性向けに堕した糞みたいなトレンディドラマ群とは明らかに一線を画したテレビ界きっての鬼才鶴橋康夫の才気溢れる演出が痛快な傑作ドラマです!明石家さんまがとにかくチャーミングで素晴らしい!
未だに視聴者に媚びた作品が幅を利かせているテレビ界において作り手の志を失わない姿勢には感服します!
未だに視聴者に媚びた作品が幅を利かせているテレビ界において作り手の志を失わない姿勢には感服します!
源氏物語 千年の謎 通常版 [DVD]
10年前に公開された失敗作「千年の恋 ひかる源氏物語」の教訓を十分に活かした作品と言える。両者ともにひかる源氏のヴァーチャルな物語と紫式部のリアルな物語を同時進行させ、交錯させる点は同じ。「千年の恋」は、(1)光源氏の誕生から老年まで総花的に描こうとして大味かつ場面展開が雑で、(2)紫式部の物語がいつの間にか都対田舎の図式に単純化され、(3)平安時代にそぐわない歌や絵が登場して幻滅させるというどうしようもない映画だった。
対照的に、本作は(1)源氏物語のうち、藤壺、六条御息所、夕顔、葵の上と光源氏の関係に集中と選択した結果、ストーリーに厚みがでた。夕顔の花を愛でる場面等、省略すべきでない場面がしっかり盛り込まれた。光源氏、紫式部等の人物の意識の流れをよく追える。(2)源氏物語を書くことを命じただけでなく、源氏物語のストーリーラインの着想自体に影響を与えた存在として藤原道長がクローズアップされ、リアルとヴァーチャルな世界の相関が複雑で深みのあるものとなった。(3)映像の美しさ・細部へのこだわりに、平安時代・源氏物語を見たという満足感を覚える。例えば御簾越しの暗い室内の撮影、外の光が差し込む朝の情景、室内から何気なく映る明るい開けた庭等。
さらに、東山紀之は豪侠な貴族:道長に相応しいし、生田斗真も若く華のある貴公子が様になっている。
源氏物語の冒頭部分にしぼったので、その続きを書くモチベーションはどうなるのか気になるが、それは本作の預かり知らぬこと。
望月の歌が出てくる。映画が史実に100%忠実である必要はないが、あの場面に使うのは疑問。
対照的に、本作は(1)源氏物語のうち、藤壺、六条御息所、夕顔、葵の上と光源氏の関係に集中と選択した結果、ストーリーに厚みがでた。夕顔の花を愛でる場面等、省略すべきでない場面がしっかり盛り込まれた。光源氏、紫式部等の人物の意識の流れをよく追える。(2)源氏物語を書くことを命じただけでなく、源氏物語のストーリーラインの着想自体に影響を与えた存在として藤原道長がクローズアップされ、リアルとヴァーチャルな世界の相関が複雑で深みのあるものとなった。(3)映像の美しさ・細部へのこだわりに、平安時代・源氏物語を見たという満足感を覚える。例えば御簾越しの暗い室内の撮影、外の光が差し込む朝の情景、室内から何気なく映る明るい開けた庭等。
さらに、東山紀之は豪侠な貴族:道長に相応しいし、生田斗真も若く華のある貴公子が様になっている。
源氏物語の冒頭部分にしぼったので、その続きを書くモチベーションはどうなるのか気になるが、それは本作の預かり知らぬこと。
望月の歌が出てくる。映画が史実に100%忠実である必要はないが、あの場面に使うのは疑問。