Calling [DVD]
短くも、強く印象に残る美しい作品です。映像、音の響き、それから映画の中に生きている若者たち。
物語自体は一種のファンタジーだと思いますが、舞台はどこでもない抽象的な場所というのではなく、2011年現在の南新宿というリアルな土地での生活が描写されていて、そこも本作の魅力になっています。また、持たざる若者の質素なアパートでの生活を描きながら、日本の映画やドラマにありがちな湿っぽさや貧乏くささ、あるいはわざとらしい若者の明るさといったものがなく、いい意味で、外国映画のような雰囲気があります。
この作品は、ストーリーにも手法にもかなり挑戦的な部分があるので、きっと人によって好き嫌いは別れるでしょう。
でも、そういった要素が僕には決して嫌みに感じられず、むしろ清潔感や上品ささえ感じるのは、もちろん監督(兼脚本)の才能、あるいは映画が発散している「若さ」の故もあるでしょうが、主役を演じている男優の「善良な普通の青年っぽさ」による部分が大きいように思われます。
この作品には、たまたま仕事で滞在していたアメリカでの映画祭で出会ったという思い出があり、個人的なひいき目も入っているのかもしれませんが、DVDで再び見直してみて、やはり、多くの映画ファンにいちど観てほしい、才能あふれる映画だと感じました。
物語自体は一種のファンタジーだと思いますが、舞台はどこでもない抽象的な場所というのではなく、2011年現在の南新宿というリアルな土地での生活が描写されていて、そこも本作の魅力になっています。また、持たざる若者の質素なアパートでの生活を描きながら、日本の映画やドラマにありがちな湿っぽさや貧乏くささ、あるいはわざとらしい若者の明るさといったものがなく、いい意味で、外国映画のような雰囲気があります。
この作品は、ストーリーにも手法にもかなり挑戦的な部分があるので、きっと人によって好き嫌いは別れるでしょう。
でも、そういった要素が僕には決して嫌みに感じられず、むしろ清潔感や上品ささえ感じるのは、もちろん監督(兼脚本)の才能、あるいは映画が発散している「若さ」の故もあるでしょうが、主役を演じている男優の「善良な普通の青年っぽさ」による部分が大きいように思われます。
この作品には、たまたま仕事で滞在していたアメリカでの映画祭で出会ったという思い出があり、個人的なひいき目も入っているのかもしれませんが、DVDで再び見直してみて、やはり、多くの映画ファンにいちど観てほしい、才能あふれる映画だと感じました。