アフガン零年 [DVD]
マリナにとって、タリバンの存在は悪魔そのものでした。しかし、女だけの外出を禁じた彼らの「掟」を破った瞬間から、マリナはタリバンとの戦いを始めます。つまり、それは自分の心の中の悪魔との戦いです。
タリバンの追及におびえながら、言いしれぬ恐怖と戦います。ついに神学校で「女」呼ばわりする男の子たちに向かって、意を決して「女じゃない」と叫ぶシーンこそ、マリナが心の壁を突き破り、自分に克った瞬間だと思いました。
NHKのドキュメンタリー番組で紹介されていましたが、当初、セディク・バルマク監督は「虹」というタイトルで、アフガンの希望を描こうとし、撮影を進める中で、変更したそうです。マリナの言いしれぬ悲しみは監督の創作の意図を砕くほど、厳しい現実だったのでしょう。
子供の悲しむ姿は、純粋で無垢なだけに強く胸に迫ってきました。そしてそれがアフガンの現実なのでしょう。子どもたちをこんな悲しみに陥れる戦争の罪深さを改めて感じました。
タリバンの追及におびえながら、言いしれぬ恐怖と戦います。ついに神学校で「女」呼ばわりする男の子たちに向かって、意を決して「女じゃない」と叫ぶシーンこそ、マリナが心の壁を突き破り、自分に克った瞬間だと思いました。
NHKのドキュメンタリー番組で紹介されていましたが、当初、セディク・バルマク監督は「虹」というタイトルで、アフガンの希望を描こうとし、撮影を進める中で、変更したそうです。マリナの言いしれぬ悲しみは監督の創作の意図を砕くほど、厳しい現実だったのでしょう。
子供の悲しむ姿は、純粋で無垢なだけに強く胸に迫ってきました。そしてそれがアフガンの現実なのでしょう。子どもたちをこんな悲しみに陥れる戦争の罪深さを改めて感じました。
「アフガン零年」 虹と少女 ~監督セディク・バルマクの描いたもの
本書の内容は、以前放送されたNHKスペシャル「マリナ~アフガニスタン・少女の悲しみを撮る」の番組に沿っている。
しかし、放送だけでは判らなかった前後関係や物事の背景が細かく書き記してある点がありがたい。
今、世間では映画「華氏911」が話題となり、たくさんの人が観ている。
その「華氏911」が「持てる者からの告発」だとすれば、映画「アフガン零年」は「持たざる者からの叫び」だ。
わたしは先日この映画を観る機会を得、悲しみという言葉を安易に使えないほどの衝撃を受けた。
映像の美しさと共に、アフガン人の静かな叫びがそこにあった。静かな叫びは、物事の本質を浮き彫りにする。
本書は、「アフガン零年」を観るにあたってのガイドとなり得る本であると思う。
たくさんの人が本書を、そして「アフガン零年」を観る事を願って止まない。
しかし、放送だけでは判らなかった前後関係や物事の背景が細かく書き記してある点がありがたい。
今、世間では映画「華氏911」が話題となり、たくさんの人が観ている。
その「華氏911」が「持てる者からの告発」だとすれば、映画「アフガン零年」は「持たざる者からの叫び」だ。
わたしは先日この映画を観る機会を得、悲しみという言葉を安易に使えないほどの衝撃を受けた。
映像の美しさと共に、アフガン人の静かな叫びがそこにあった。静かな叫びは、物事の本質を浮き彫りにする。
本書は、「アフガン零年」を観るにあたってのガイドとなり得る本であると思う。
たくさんの人が本書を、そして「アフガン零年」を観る事を願って止まない。