ベニスに死す (集英社文庫)
主題は美(ならびに芸術)。題材は美少年に一目惚れした老男性作家。そのストーキング行為が厳かに描かれます。
題材の破廉恥さと描き方の厳かさとのギャップに、これはひょっとしてなにかの冗談かパロディなのでは、と思う人は自分だけではないはず(おれだけ?)。
美にさして興味のない自分にとって内容は共感できない(というよりその芸術至上主義ぶりに辟易です)けど、小説としては美をもって美を語ってしまう希有な作品。緩急自在のピアノの演奏を聞かされているかのような。この文章は味わう価値ありです◎。小説ってこういうふうにも書けるんだって思わせてくれます。
他の翻訳で読んだことがないので比較はできないけど、この翻訳でおれは満足でした。
題材の破廉恥さと描き方の厳かさとのギャップに、これはひょっとしてなにかの冗談かパロディなのでは、と思う人は自分だけではないはず(おれだけ?)。
美にさして興味のない自分にとって内容は共感できない(というよりその芸術至上主義ぶりに辟易です)けど、小説としては美をもって美を語ってしまう希有な作品。緩急自在のピアノの演奏を聞かされているかのような。この文章は味わう価値ありです◎。小説ってこういうふうにも書けるんだって思わせてくれます。
他の翻訳で読んだことがないので比較はできないけど、この翻訳でおれは満足でした。
Luchino Visconti Presents The Original Motion Picture Soundtrack From The Film Death In Venice
この映画を初めて見たとき、まさかこの音楽が既成曲だったとは思いもしませんでした。それだけ、映像にマッチしていたからです。これほど、的確に既成曲を使用できる監督がいるのでしょうか。
それ以来、マーラーの第五交響曲第四楽章アダージェットは、このサントラの音源でなければ、どうも雰囲気が感じられなくなってしまったのです。
とにかく、じっと聴いてみてください。きっと、ヴィスコンティの世界に浸ることができると思います。
それ以来、マーラーの第五交響曲第四楽章アダージェットは、このサントラの音源でなければ、どうも雰囲気が感じられなくなってしまったのです。
とにかく、じっと聴いてみてください。きっと、ヴィスコンティの世界に浸ることができると思います。
ベニスに死す [DVD]
この作品は、何度も再発されてますが、店頭では毎回すぐ売れてしまいます。 何度見ても…また見たくなる。不思議な魅力溢れるのは、やはりタジオ役のビョルン・アンドルセン。少年と青年の境目の年ごろ。 最近、50代になったビョルンの写真をみました。 この作品の彼が、一番輝いていた。だから、もう今となっては銀幕の上でしか お目にかかれません。
ベニスに死す/オリジナル・サウンドトラック盤
アメリカから取り寄せた映画「ベニスに死す」のサントラCD。少し待ちましたが、キレイな状態でちゃんと届きました。早速聴いてみました…映画「ベニスに死す」と言えば、ご存知マーラーですが、他のマーラーのCDと聴き比べてみても、このサントラ版のほうが良かったです。まず1曲目…メインテーマの「アダージェット」…目を閉じるとグスタフ(主人公)が登場する、あの印象的なシーンが鮮明に浮かんで来ます!クラシック音楽は、聴き比べると良くわかるのですが演奏者や指揮者が違ければ、まったく違うテイストになりますよね。さすがは審美眼に定評のあるルキーノ・ヴィスコンティ監督が選んだ良く出来た演奏だなぁ…と思いました。しいて難を言えば、曲数が少ない(6曲)…まぁこれはサントラだから仕方ないですかね。ただし!3曲目の陽気な音楽隊(映画館の中盤に出て来る帽子をアミダに被った旅芸人の一座)の曲は、明らかに映画から落としたデキの悪い粗悪品。いわゆる捨て曲でした。最後の曲(エンドタイトル)は、美しい歌声が素晴らしい出来映え。また2曲目の海辺で上品な婦人が唄う(映画の最後のほうに出て来るあの印象的な歌)…あれは良かった!この曲は、このサントラ版じゃないと聴けないです。…と言うわけで、まずまずの出来かなぁと思いました。我らがビョルン・アンドレセン(笑)の写真も入ってファンなら、持っててソンは無いかも知れません。
ベニスに死す [DVD]
この作品はビョルン・アンドレセンなしでは語れません!
―彼のあの美しさ、セーラーカラーシャツをも可憐に着こなす未だ性無き天使の美貌失くしては、この作品はここまで人の心を惹きつけはしなかった事でしょう。
―勿論、主演したダーク・ボガードの演技も素晴らしいし、
この作品を創り出したルキノ・ビスコンティの特出した才能あってこその作品なのだけれど!。
(ただ、タジオ演じるビョルンの、少女より少年より美しい存在は衝撃でした!!…こんなに綺麗な人間が存在していたこと自体が、奇跡的だと思ってます。)
音楽もとても美しいです。
作品世界のもう一つの柱だと言えます。
個人的には、ハイビジョンクラスの最新映像で見てみたくもありました。
原作と映画では幾!つかの設定に違いがあって、それもまた比較する楽しさがあります。
作品全体に漂う、夏の倦怠感にも似た―倦んだ熱を孕んだ空気が、独特の映像世界を作り出しています。
―その空気が、この映画独特の…悦びと、淡い絶望の混在する魅力につながっている様にも感じます。
(ヴェネツィアに行った事のある方には特にお勧めです。当時と今の違いを見ても、興味深く楽しめます。)
見るまえは硬いイメージばかりが強かったのですが、見終わった後には…作品世界に酔いしれるばかりです…。
一度は見てほしい作品です。
―彼のあの美しさ、セーラーカラーシャツをも可憐に着こなす未だ性無き天使の美貌失くしては、この作品はここまで人の心を惹きつけはしなかった事でしょう。
―勿論、主演したダーク・ボガードの演技も素晴らしいし、
この作品を創り出したルキノ・ビスコンティの特出した才能あってこその作品なのだけれど!。
(ただ、タジオ演じるビョルンの、少女より少年より美しい存在は衝撃でした!!…こんなに綺麗な人間が存在していたこと自体が、奇跡的だと思ってます。)
音楽もとても美しいです。
作品世界のもう一つの柱だと言えます。
個人的には、ハイビジョンクラスの最新映像で見てみたくもありました。
原作と映画では幾!つかの設定に違いがあって、それもまた比較する楽しさがあります。
作品全体に漂う、夏の倦怠感にも似た―倦んだ熱を孕んだ空気が、独特の映像世界を作り出しています。
―その空気が、この映画独特の…悦びと、淡い絶望の混在する魅力につながっている様にも感じます。
(ヴェネツィアに行った事のある方には特にお勧めです。当時と今の違いを見ても、興味深く楽しめます。)
見るまえは硬いイメージばかりが強かったのですが、見終わった後には…作品世界に酔いしれるばかりです…。
一度は見てほしい作品です。