頭脳警察
伝説で語られるバンド 頭脳警察は70年代、90年代の復活(1年限り)、そして21世紀以降の現在と3つの活動時期に分けることが出来る。この本は「PANTA FUN CLUB」会報誌の編集長であった人物が、頭脳警察にかかわった人物たち+頭脳警察のPANTAとTOSHIにインタビューをし、作り上げた本だ。「過激!」や「パンクの元祖」という一言で括られがちなバンドだが、僕も含め彼らの音楽のファンはそういった部分に違和感を感じているはずだ。著者もそういった違和感を大きく持っていたらしく、レコーディングエンジニア、音楽評論家、イベンターなどにそういった部分を踏まえながら、頭脳警察体験と当時の時代の空気、それを経過した今を問い詰めていく。PANTAとTOSHIのインタビューはそういった結果を受けてのものなので、ちょっと薄くも感じるのだが、関係者による証言は当時の時代、彼らから見た頭脳警察の位置づけなどが見えてきて非常に興味深い。こういった部分だけどもあの時代というもの、頭脳警察、当時のロックの立ち位置というものが分かってくる(この関係者のインタビューに際し、著者は相当な想いを持ち、整理して望んでいるはずだ)。2500円という価格は高いと感じるかもしれないが、頭脳警察や当時のロックに関心のある方には十二分に価値内容を持っている。最近、やっとこの時代のロックがこういった形で冷静に描かれるようになってきた。伝説なんか吹っ飛ばすべきだと常々思っているので、こういった本の発刊は本当にうれしい。そして頭脳警察は現在進行中であることもお忘れなく。
ドキュメンタリー 頭脳警察 [DVD]
あの伝説的ロック・バンド『頭脳警察』。ロックが若者の反抗、社会批判を、過激で暴力的な表現で代弁していた昭和40年代半ば、PANTAとトシにより結成された彼らは、赤軍三部作といわれる「世界革命戦争宣言」「赤軍兵士の歌」「銃を取れ」の、赤軍派に触発された曲を演奏し、他の曲もラジカルな批評性の元に、日本語歌詞により独自の世界を作り上げ、ロックの中でも突出したバンドとして、圧倒的に支持されていた。彼らの演奏は世界に先駆けたパンク・ロックだったのだ。昭和40年代の終焉と共に解散したが、節目節目に再結成と解散(自爆)を繰り返している。
その『頭脳警察』のドキュメンタリー映画である。3部構成で、合計5時間15分もの大作だ。2006年から2008年まで、PANTAのバンド活動から頭脳警察の再始動に至るまで、彼らに密着して撮影されたものだ。先回りして言ってしまおう。この映画は頭脳警察が存在する時代のドキュメンタリーであり、再始動・頭脳警察のプロモーション・ビデオであり、頭脳警察・再始動のメイキング・ビデオである。そしてその背景には「戦争」という各々の時代の刻印が、はっきりと浮き彫りにされているのだ。
1部は結成から解散までの軌跡を、映像やインタビューを交えて纏めている。
2部は従軍看護婦として南方に派遣されていたPANTAの母親の軌跡。そして重信房子を介してのパレスチナ問題への関わりが中心となっている。優に二本分のドキュメンタリー映画が作れてしまう内容だ。
3部は各々のソロ活動から頭脳警察再始動に向かってゆくPANTAとトシ、そして白熱の京大西部講堂での再始動ライブへ。
ベトナム戦争から、赤軍派の世界革命戦争へのシンパシー。大東亜戦争当時、病院船氷川丸での母親の軌跡を、船舶運航記録によって、戦前戦後を通底する時間軸に己が存在する事を、PANTAが確認する辺りは圧巻である。そして中東戦争とパレスチナ。現在のイランなどに対する「対テロ戦争」という名の帝国主義戦争。なんとオイラと同じPANTAの世代は「戦争」の世代ではないか。
頭脳警察はその政治性によって語られる事が多い。しかし、本来はその存在や演奏自身がより政治的な意味合いを持っていたのだ。その事を自覚することにより、PANTAは「止まっているということと、変わらないということは、違うんだよ」と言うのだ。重信を通してパレスチナ問題に関わることを、落とし前を付ける、と言うのも、かつて赤軍三部作を歌い、赤軍派にシンパシーを感じた自分自身に対することなのだろうと思うのだ。
その『頭脳警察』のドキュメンタリー映画である。3部構成で、合計5時間15分もの大作だ。2006年から2008年まで、PANTAのバンド活動から頭脳警察の再始動に至るまで、彼らに密着して撮影されたものだ。先回りして言ってしまおう。この映画は頭脳警察が存在する時代のドキュメンタリーであり、再始動・頭脳警察のプロモーション・ビデオであり、頭脳警察・再始動のメイキング・ビデオである。そしてその背景には「戦争」という各々の時代の刻印が、はっきりと浮き彫りにされているのだ。
1部は結成から解散までの軌跡を、映像やインタビューを交えて纏めている。
2部は従軍看護婦として南方に派遣されていたPANTAの母親の軌跡。そして重信房子を介してのパレスチナ問題への関わりが中心となっている。優に二本分のドキュメンタリー映画が作れてしまう内容だ。
3部は各々のソロ活動から頭脳警察再始動に向かってゆくPANTAとトシ、そして白熱の京大西部講堂での再始動ライブへ。
ベトナム戦争から、赤軍派の世界革命戦争へのシンパシー。大東亜戦争当時、病院船氷川丸での母親の軌跡を、船舶運航記録によって、戦前戦後を通底する時間軸に己が存在する事を、PANTAが確認する辺りは圧巻である。そして中東戦争とパレスチナ。現在のイランなどに対する「対テロ戦争」という名の帝国主義戦争。なんとオイラと同じPANTAの世代は「戦争」の世代ではないか。
頭脳警察はその政治性によって語られる事が多い。しかし、本来はその存在や演奏自身がより政治的な意味合いを持っていたのだ。その事を自覚することにより、PANTAは「止まっているということと、変わらないということは、違うんだよ」と言うのだ。重信を通してパレスチナ問題に関わることを、落とし前を付ける、と言うのも、かつて赤軍三部作を歌い、赤軍派にシンパシーを感じた自分自身に対することなのだろうと思うのだ。
2001 6/9 WE ARE THE BRAIN POLICE 日比谷野音・頭脳警察 [DVD]
21世紀のロックの日に野音で頭脳警察が復活!!
90年の再結成のパワステも燃えたが、01年の野音も良かった。
当日、会場に行った人も行けなかった人も買って損は無し。
PANTA個人名義も良いが、やはり頭脳警察名義が一番である。
90年の再結成のパワステも燃えたが、01年の野音も良かった。
当日、会場に行った人も行けなかった人も買って損は無し。
PANTA個人名義も良いが、やはり頭脳警察名義が一番である。
頭脳警察1(紙ジャケット仕様)
過去数十年にわたり、何百回聞いたか分からないが、何度聞いても凄い。
何が凄いって、二十歳そこそこのパンタとトシの二人が、下積み無しでいきなりプロとしてステージに上がった頃の記録がこれなのだ。
レコーディングを意識してか、ギターのチューニングこそ合っている(!)ものの、熱の伝わり方は半端ではない。
デビュー直後から、楽曲といい、歌唱力といい、演奏力といい、頂点に達している(?)さまは、ツェッペリンを彷彿とさせる。
還暦を過ぎてなお、新譜を出し続ける頭脳警察だが、結局このファーストを超えることはできないのかも知れない。
何が凄いって、二十歳そこそこのパンタとトシの二人が、下積み無しでいきなりプロとしてステージに上がった頃の記録がこれなのだ。
レコーディングを意識してか、ギターのチューニングこそ合っている(!)ものの、熱の伝わり方は半端ではない。
デビュー直後から、楽曲といい、歌唱力といい、演奏力といい、頂点に達している(?)さまは、ツェッペリンを彷彿とさせる。
還暦を過ぎてなお、新譜を出し続ける頭脳警察だが、結局このファーストを超えることはできないのかも知れない。