読み終えてしばらく、うねり渦巻く感情を抑えられなかった。予選会の段階で、少し涙がにじんだ。つい先日、実際に箱根の予選会が終わり、そのドキュメンタリーが放映された。予選通過に沸き立つ選手達や、がっくりとうなだれる若者達の姿が、小説の内容と重なった。「速い」ランナーでなく「強い」ランナーをめざすという名言は、実際に箱根出場チームを率いた監督から出たものらしい。

　ランナーの孤独と、駅伝メンバーの連帯が十全に描かれていた。一度敗れた夢を再びめざす復活の物語だ。若者に対して、世界はこうでなくてはならない。

　また、足が折れても走り続ける決意の選手を、実際の監督は、それでも彼らの将来のために涙を流しながら体を押しとどめて中止させたことがある。現実の箱根駅伝と響き合う、すぐれた青春小説である。ときどき軽いギャグタッチになる点も、若者の世界らしく好感が持てる。

朝ドラが気に入らなくて（何か違和感があって）原作？を読んでみた。
良いです！もともとテレビドラマと実在の村岡花子さんとは区別して見るべきなのですが、つい混同してしまっていました。
赤毛のアンが大好きで、何回も何回も読んでいたのに、翻訳者のイメージがほとんど見えなかったのだが、それが本当の翻訳と云う作業で、アンの物語を正確に伝える技でした。
モンゴメリさんがこの物語を長い間しまい込んでいたのと、同じくらい、村岡花子さんもその出すタイミングをじっと待っていたのですね「アンのゆりかご」の作者の村岡恵理さんはそれを効果的に表現して、物語のクライマックスになっているので、物語として素晴らしいです。
この本を読んで、アン・シャーリーのこころが村岡花子の生涯に生き、そしてしっかりと村岡恵理に引き継がれていることが分かる．

　よくぞ企画してくれたって感じです。映像自体は昔のライブ映像ですが、安部氏の若々しい姿と楽しそうに演奏する姿が見ているこちらまで嬉しくなります。１曲ずつ本人が詳しく、当時の状況を交えて説明しているのも◎！安部さんファンもAORフリークも、迷いなく買い！です。