原作は未読。
物語序盤は主人公田西と千春の恋愛が描かれる。
田西があまりにも情けなく、ダメな痛い男であるのに対して、明るくてかわいい千春が惚れていく過程があまりにも漫画ちっくすぎて説得力がない。
もう少し田西の男としての良い面を描かないと千春が田西に惚れる理由が曖昧で映画の欠点にもなっていると感じた。
中盤〜終盤はそんな千春への失恋。
そして千春を捨てた青山への復讐に奔走する田西が描かれる。
むしろ中盤以降の千春の変化はリ
アリティがあって、田西がそれでも惚れた女をぞんざいに扱った男に怒る展開など、見どころのあるシーンは多い。
千春が純粋無垢ないい女ではなく「痛い女」であった実態に気付いていく田西が切ない。
ラストは青山との決闘に敗れる田西。
「タクシードライバー」のトラヴィスばりに気合を入れてモヒカンにしても喧嘩も強くてなんでもできる青山には負けてしまう。
電車での千春とのやり取りからの疾走!
29年間何ももっていなかった男が何かを成し遂げた瞬間、物語は終わる。
細かい欠点も多い作品ではあるが、胸にガツンとくる映画になっている。
ミュージシャンであり本職が俳優でない峯田氏に対して、脇を固めるYOU、リリーフランキー、
松田龍平らの好演もお見事。