大映には怪談や怪奇映画のジャンルがあり、その間口の広さは他社では類を見ない程でその内容も充実している。時代劇になると照明による光と影の撮影効果がアナログ的な温かみを与え庶民感覚で楽しめる。その時代劇に特撮を違和感なく溶け込ませ、妖怪が跋扈する独自の異空間を創り上げたこの映画は『大魔神』と並び大映京都が成し得た偉大なる成果であろう。
古来より八百万の神が自然界に存在するように、妖怪も地域に根付いたその土地の歴史や庶民生活と表裏一体となって密接な関係を保っていた。そんな謎めいた魑魅魍魎の世界を特撮で表現したこの映画の素晴らしさはお伽噺の世界にいざなわれるようで、その特異な世界観に魅了される。中でも「ろくろ首」と「置いてけ堀」を巧みに融合させたエピソードは実に秀逸で、その怖さの奥に潜む不可思議さに本能的に惹かれる。それは日本人にしか感じ取れないような鋭敏な感覚が遺伝子に組み込まれているのではないかと思える程で、ラストの百鬼夜行に至るまで幻想的且つ痛快な展開を通して魅惑的な未知の世界を体感できる。
この作品はガメラ映画と併映だったが、怪獣映画とはまた趣の事なる映画に触れることができ、新たな楽しさを見つけて思わぬ僥倖を得たような感じだった。思えば子供の頃はこの種の作品が近所の映画館で容易に観る事ができた。それはとても幸せなことで現実を離れ暫しファンタジーの世界に浸る事ができたのだ。そんな至福の時間を持てたことを懐かしく思い出す。ＢＤ化を切に願うのは私だけではあるまい。

面白いと思う。100年以上前の作品なのに古臭さを感じさせない。
悲観的に未来を描いたのだが、最後の文は未来人の中に行き続ける人の心を描いている。僕は、この本を読んで、未来に対する絶望より、むしろ、未来で、退化しても人の心はなくならないという肯定的な考えが浮かぶと思う。
　映画は見てないので小説の世界に入り込めた。せっかくだから映画も今度見てみたくなった。
　ほかの短編も面白かった。マジックショップが一番いいと思う。

子供が前からずっと欲しがっていたので見つけて即買いです。すごく喜んでくれました。