武器・十字架と戦国日本 イエズス会宣教師と「対日武力征服計画」の真相
「イエズス会黒幕説」を「否」という立場であると同時に、文献、資料などから検証考察する事の重要性も書いてあります。
6章からなる本書は、メチエなどと違い。歴史好きレベルの人でも十分に理解しやすい内容となってます。
私個人としては、「聖戦論」を特に注目して読みました。
本書を読んでから、イエズス会の世界戦略 (講談社選書メチエ)を読むことを強くお勧めしたい。
6章からなる本書は、メチエなどと違い。歴史好きレベルの人でも十分に理解しやすい内容となってます。
私個人としては、「聖戦論」を特に注目して読みました。
本書を読んでから、イエズス会の世界戦略 (講談社選書メチエ)を読むことを強くお勧めしたい。
イエズス会の世界戦略 (講談社選書メチエ)
イエズス会というのは本書にもある通り、カソリックの中では比較的新しい(か?)修道会だけれど、にもかかわらず、ヨーロッパの新大陸貿易の波に上手く乗って、世界的に大きく勢力範囲を広げることになった。
で、本書はその背景にあるイエズス会の経済的、軍事的戦略と全く未知の異教文化に入って行く際の方法論などについての研究書なのだ。ま、言ってみりゃイエズス会のマーケティング戦略といったところだろうか。
それは確かに極めて細かく構築された戦略であり、充分に状況を見て判断し、決して「押しつけ」にならないような形で庶民の文化に入り込んで行くための方策として練られたものだった。
ただそれが「軍事的」色彩を帯びて来たとき(それは最大のバックアップスポンサーであったポルトガルの国力が傾き始めるのと時を一にする)、必要以上の警戒感を秀吉に与えることとなり「宣教師の追放令」という最悪の帰結を見ることになってしまった。
それにしてもこういった宗教の集団ですらこれだけの読み込みを行って「外交」に臨むのに、現代の日本にあって対外理解というものがどの程度までなされているのか、甚だ疑わしいものがある。
で、本書はその背景にあるイエズス会の経済的、軍事的戦略と全く未知の異教文化に入って行く際の方法論などについての研究書なのだ。ま、言ってみりゃイエズス会のマーケティング戦略といったところだろうか。
それは確かに極めて細かく構築された戦略であり、充分に状況を見て判断し、決して「押しつけ」にならないような形で庶民の文化に入り込んで行くための方策として練られたものだった。
ただそれが「軍事的」色彩を帯びて来たとき(それは最大のバックアップスポンサーであったポルトガルの国力が傾き始めるのと時を一にする)、必要以上の警戒感を秀吉に与えることとなり「宣教師の追放令」という最悪の帰結を見ることになってしまった。
それにしてもこういった宗教の集団ですらこれだけの読み込みを行って「外交」に臨むのに、現代の日本にあって対外理解というものがどの程度までなされているのか、甚だ疑わしいものがある。