ロード・オブ・セイラム [Blu-ray]
70年代テイスト全開でかなりマニアックなホラーを撮りながらも、エンターテイメントだけは絶対に外さなかったロブ・ゾンビ監督も次のステージに移ったということでしょうか?R・ポランスキーの“マクベス”よりもおどろおどろしい冒頭の魔女の儀式シーンから、わお!今回もやっぱりゾンビ監督の迫力は半端ないぞと大盛り上がりで見始めましたが、ゾンビ監督らしいケレン味溢れる模写はその後ほとんどなく、ジワジワと真綿で首を絞めるような不穏な空気と不気味な音で、レコードをかけたら呪いが蔓延してしまいましたという“死霊のはらわた”な単純きわまりない話が淡々と繰り広げられるだけでした。レコードがかかるラジオ局にはJガイルズバンドの看板、ヒロインの部屋にはメリエスの月世界旅行のポスター、出てくる役者のクセのあること!と相変わらず最高のセンスのロブ・ゾンビですが、たまに出るお化けのサービスカットは結構陳腐な登場だったりして今回ゾンビ監督は一体どうしちゃったんだろう?と思っていたのですが、終盤になっていきなり炸裂するサイケデリックでシュールでお下劣なエログロ映像のオンパレード!このラストのために溜めに溜めてたんだとわかりはしたものの、やはり観客を突き放したように勝手に暴走していくドラッグムービー状態は、流石にミュージシャンのゾンビ監督だけあってのパンクでヘヴィな見せ場になってますが、すでにホラー映画という範疇からははみだしていってしまっている感がありました。今までのゾンビ監督のテイストとは大分違ってD・リンチの混沌さに近い印象さえ受けました。ですのでハマる人はハマるでしょうけど、駄目な人には駄目な映画でしょうねぇ。ソフトは日本で商品化できるギリギリで頑張ってくれていると思いますが、ここはやっぱり駄目だったろうなと思われるモザイクが入るところが2カットほど。これが地獄絵図がそれなりに盛り上がるシーンですので、ちょっと残念ではありますね。決して面白い映画ではないのでしょうけれど、嫌でもずっと引きずるホラーではあると思います。それが監督の狙いなのでしょうね。
マーダー・ライド・ショー2 デビルズ・リジェクト [DVD]
まずこういう映画は見ないのですが、執拗に勧めてくださるありがた迷惑に属する知人の熱意に負けて見ることに、「『俺たちには明日はない』が好きならいけますよ」という推薦のお言葉でした。俺たちには明日はないとの共通点はあるのかないのかもわからんままの怒涛の1時間40分で、正直変な感動が無きにしも非ずという感想です。変な感動というのは、途中から凶暴さというか理不尽さが追っ手の保安官の方が上回って段々主役の方が劣勢になってくる。なんか初めの雰囲気が変わってくるのですね。そのあたりが意図的なものかよくわかりません。
正直奇妙なバイオレンス・ホラーを見たらなんかしら変な感動が付いてきたという映画です。
マニアックなところでは、007のプリシラ・バーンズとこの映画の後アメリカのテレビドラマによく出るようになるケイト・ノルビーの2人が見ものです。
それと音楽がさすがにいいものが選ばれてます。ジョー・ウォルシュのロッキーマウンテン・ウエイなんか鳥肌もんです。でもこの手の作品にはどうしてもカントリー系の音が似合いますね。
でもこの作品の意図とするところは何なのだろう??
正直奇妙なバイオレンス・ホラーを見たらなんかしら変な感動が付いてきたという映画です。
マニアックなところでは、007のプリシラ・バーンズとこの映画の後アメリカのテレビドラマによく出るようになるケイト・ノルビーの2人が見ものです。
それと音楽がさすがにいいものが選ばれてます。ジョー・ウォルシュのロッキーマウンテン・ウエイなんか鳥肌もんです。でもこの手の作品にはどうしてもカントリー系の音が似合いますね。
でもこの作品の意図とするところは何なのだろう??
ハロウィン アンレイテッド・コレクターズ・エディション [DVD]
スプラッター映画にして、お約束のバカバカしさがなく非常に落ち着いた映画。そこがROB ZOMBEの偉大なところだ。映画「マーダー…」からその続編「デビルズリジェクト」への転換も驚いたがこのリメイク企画は、それ以上。殺人鬼を描く部分よりも、オリジナルをもとに脚色した、すなわち殺人鬼の心理に焦点を当てた部分のほうが映画全体の根本になった。
それは主人公(?)マイキーの心の闇が、家庭の環境が原因になっており稀にみる少年犯罪に重なる部分だ。これだけでスプラッタ=現実味がないという概念を打ち破ることに成功している
心を閉ざし、黙秘するマイキーが突然の脱走をはかる場面にも、たまたま移動中というタイミングがあり、別バージョンでも違和感のない成り行きになっていた。幾重にも工夫が凝らされるというのかハロウィンだからなのか、そのリアリティとスプラッタ場面が程よい具合になって落ち着いた作品になったと思う。
個人的には、悪役が多い俳優陣が顔を揃えた本作品だがチャッキーのあの人が出演しているのが嬉しい
それは主人公(?)マイキーの心の闇が、家庭の環境が原因になっており稀にみる少年犯罪に重なる部分だ。これだけでスプラッタ=現実味がないという概念を打ち破ることに成功している
心を閉ざし、黙秘するマイキーが突然の脱走をはかる場面にも、たまたま移動中というタイミングがあり、別バージョンでも違和感のない成り行きになっていた。幾重にも工夫が凝らされるというのかハロウィンだからなのか、そのリアリティとスプラッタ場面が程よい具合になって落ち着いた作品になったと思う。
個人的には、悪役が多い俳優陣が顔を揃えた本作品だがチャッキーのあの人が出演しているのが嬉しい