ビル・ブルーフォード自伝
誤植など問題では無い。高価格も何ら問題無い。そんな事を気にするような輩がプログレ、しかもフリップがらみの音楽に首を突っ込んだりはしない。する訳が無い。この本は買った者に校正する悦びさえも与えてくれるのだ。この本を買った者は皆等しく満足している。間違いない。内容については語らない。語る必要が無い素晴らしい内容だ。いつまでたっても中古市場に安値で出回らないという事実がそれらを証明している。誤植をあげつらい、価格を云々するような輩はこの書籍が日本で出版されたという事実に、もう少し感謝したらどうか。私は訳者、発行者の多大な努力と貢献に対し深い感謝の意を表したいと思う。
イエス・ミュージックの夜 [DVD]
DVD発売が急遽延期になって、「権利関係が難しくて発売できないのでは?」などと要らぬ心配をしてしまったが、こうして無事に発売となって一安心。
改めてみると、メンバーの一部(創立メンバーのクリス・スクワイア)がいないとか、あくまでも目立たないがサポートメンバーが加わっている、とか、純粋なイエスといえるかについては諸意見あるだろうが、間違いなく「当時」においては90125イエスよりはイエスらしかったこと、そして、そのイエスらしさを一部の熱狂的なファンが待望していた事は、本作をみるとよくわかる。
とにかく、ジョンが1曲歌い終わる毎、リックやスティーブのソロの節々で観客が沸き立つ様子を見て、さぞやメンバー4人は気持ちよかっただろうなあ、とうらやましく思う。
メンバーのルックスもまだ若々しさを維持しているし、演奏も、まだまだスピードと正確さを維持していた頃なので、そういう意味での満足感はしっかりある。
そうなると、個人的に気になったのは、やはりビル・ブラッフォードという人の位置というか存在そのものだ。躁的にはしゃぐ他の3人とは対照的に、カウチから出てきたような地味なスウェット姿で、淡々と職人的にレパートリーをこなす様子が少々距離感を感じさせるし、シモンズ(エレクトリック・ドラム)を大々的にフィーチャした音色に、違和感を覚えた。ジャズ系の繊細なタッチを消し去るほどの輪郭の際立った様々なサンプリング音が、本質的にはオーガニックなイエスのサウンドには、やや装飾過剰に感じてしまった。
そういう意味で、ビルはイエスに合わせるのではなく、イエスという舞台をただ勤め上げただけだったのかもしれない。
いずれにしても、イエスのファンとしては押さえておくべき作品だ。
改めてみると、メンバーの一部(創立メンバーのクリス・スクワイア)がいないとか、あくまでも目立たないがサポートメンバーが加わっている、とか、純粋なイエスといえるかについては諸意見あるだろうが、間違いなく「当時」においては90125イエスよりはイエスらしかったこと、そして、そのイエスらしさを一部の熱狂的なファンが待望していた事は、本作をみるとよくわかる。
とにかく、ジョンが1曲歌い終わる毎、リックやスティーブのソロの節々で観客が沸き立つ様子を見て、さぞやメンバー4人は気持ちよかっただろうなあ、とうらやましく思う。
メンバーのルックスもまだ若々しさを維持しているし、演奏も、まだまだスピードと正確さを維持していた頃なので、そういう意味での満足感はしっかりある。
そうなると、個人的に気になったのは、やはりビル・ブラッフォードという人の位置というか存在そのものだ。躁的にはしゃぐ他の3人とは対照的に、カウチから出てきたような地味なスウェット姿で、淡々と職人的にレパートリーをこなす様子が少々距離感を感じさせるし、シモンズ(エレクトリック・ドラム)を大々的にフィーチャした音色に、違和感を覚えた。ジャズ系の繊細なタッチを消し去るほどの輪郭の際立った様々なサンプリング音が、本質的にはオーガニックなイエスのサウンドには、やや装飾過剰に感じてしまった。
そういう意味で、ビルはイエスに合わせるのではなく、イエスという舞台をただ勤め上げただけだったのかもしれない。
いずれにしても、イエスのファンとしては押さえておくべき作品だ。
One of a Kind
UK脱退後にリリースされた「ブラフォード」名義の作品、イエスやクリムゾンは好きだが「ブラフォード」はちょっと、、、という人間はけっこう多く、理由を問いただすと「意味がわからない」「つまらない」「よさがわからない」といった答えが返ってくる。しかし私は本作と前作「フィールズグッド」はイエスやクリムゾンの作品に負けない完成度の高さがあり、個人的には「こわれもの」や「レッド」以上にターンテーブルに乗ることが多いアルバムだった。(本作も車のカーステで100回以上は聞いている。前作は150回以上) このアルバムの魅力は曲の良さもさることながらアランホールズワース、デーブスチュワート、ジェフバーリン、ビルの4人の高い演奏技能が魅力で、驚嘆させられるようなプレイが満載である。特にアランホールズワースの本作と前作のギタープレイはアランのディスコグラフィーの中でも最高の部類に入ると思う。ビルとデーブの楽曲がアランのギターと非常に相性が良く、アランの持ち味を非常によく引き出していると思う。ビルのドラムはシモンズの電子ドラムに移行する直前の時期で、アナログのドラムなのにドラムサウンドが無機質で非常にクリアな音に仕上げられている。(YMOのドラムもアナログなのに無機質なサウンドに聞こえた)アランはこのバンドを非常に気に入っていたのだが、レコード会社からUKのような曲を作れという圧力を受けるようになりバンドに嫌気がさして脱退してしまう。この時期にこのメンバーだからこそ生まれた奇跡のようなこのアルバムを多くの人が耳にしてほしいと切に願っている。タイトル曲のパート1は、当時のディスコで流れてもおかしくないような流麗なディスコ調シンセビートとギターのからみが絶妙で、ディスコチャートを視野に入れて作られたのかのような曲だと思う。