無法松の一生 [DVD]
『無法松の一生』には三船敏郎版もある。私にとって三船敏郎は、日本の映画史上最高の俳優だ。
その三船版『無法松の一生』は、カラーでしかもノーカットだ。また映画最大の見せ場といっていい祇園太鼓を叩くシーンは、阪妻より三船のほう上手い。
それでも『無法松の一生』は、阪妻版にとどめをさす!
三船の無法松も悪くはない。だが彼の持ち味と無法松は、段差があった。その一方、阪妻の無法松は、まさに松五郎の化身だった。
阪妻の無法松はいきいきとしていた。しかし三船のそれはどこか窮屈だった。三船は世間の枠組みにはまりきれないアウトロー役で本領を発揮した。『酔いどれ天使』『羅生門』『七人の侍』『用心棒』等。
無法松は暴れん坊だが、アウトローではなかった。無法松は暴れん坊だが、秩序の中で生きる人物だった。
三船ファンで無法松を彼の代表作に上げる人はいない。しかし阪妻ファンの多くは、無法松を彼の代表作に上げる。無法松は世紀の大スター坂東妻三郎、一世一代の当たり役だった!
『無法松の一生』をみるたびに、わが身を反省してしまう。
無法松は無学だった。小学校すら出ておらず、文字も読めない車引きだった。何せ本が読めないのだから、当然知識は少ない。また価値観のモノサシもおそらく少ない。しかし彼は自分のモノサシをきっちり守り、そこから外れることをしなかった。自分を厳しく律していた。
私は彼よりモノサシの数だけは多い。おそらく。だがすべてにおいてナーナー状態で、しかも合格ラインを低く設定している。そしてその低い合格ラインすらしばしば守れていない。
ほんの一瞬かもしれない。それでも『無法松の一生』は、自分の生き方を反省させ、「日本男子はやっぱり、こうでなくっちゃあ」と思わせる何かがある。
私は小倉生まれだ。高校まで小倉で育った。私はボン(旧制小倉中学)の後輩だ。小倉高校だが。
その三船版『無法松の一生』は、カラーでしかもノーカットだ。また映画最大の見せ場といっていい祇園太鼓を叩くシーンは、阪妻より三船のほう上手い。
それでも『無法松の一生』は、阪妻版にとどめをさす!
三船の無法松も悪くはない。だが彼の持ち味と無法松は、段差があった。その一方、阪妻の無法松は、まさに松五郎の化身だった。
阪妻の無法松はいきいきとしていた。しかし三船のそれはどこか窮屈だった。三船は世間の枠組みにはまりきれないアウトロー役で本領を発揮した。『酔いどれ天使』『羅生門』『七人の侍』『用心棒』等。
無法松は暴れん坊だが、アウトローではなかった。無法松は暴れん坊だが、秩序の中で生きる人物だった。
三船ファンで無法松を彼の代表作に上げる人はいない。しかし阪妻ファンの多くは、無法松を彼の代表作に上げる。無法松は世紀の大スター坂東妻三郎、一世一代の当たり役だった!
『無法松の一生』をみるたびに、わが身を反省してしまう。
無法松は無学だった。小学校すら出ておらず、文字も読めない車引きだった。何せ本が読めないのだから、当然知識は少ない。また価値観のモノサシもおそらく少ない。しかし彼は自分のモノサシをきっちり守り、そこから外れることをしなかった。自分を厳しく律していた。
私は彼よりモノサシの数だけは多い。おそらく。だがすべてにおいてナーナー状態で、しかも合格ラインを低く設定している。そしてその低い合格ラインすらしばしば守れていない。
ほんの一瞬かもしれない。それでも『無法松の一生』は、自分の生き方を反省させ、「日本男子はやっぱり、こうでなくっちゃあ」と思わせる何かがある。
私は小倉生まれだ。高校まで小倉で育った。私はボン(旧制小倉中学)の後輩だ。小倉高校だが。