
悪を呼ぶ少年 [DVD]
☆単刀直入に言って、これは思わぬ掘り出し物であるが、私は子供を題材にした映画は何故か大の苦手。理由はワカラナイ(苦笑)。だから、当初は本編にたいした期待もしておらず、観る前から逃げ腰だった。しかし、摩訶不思議?なオープニング場面からすっかり引き込まれてしまい、この作品の虜になってしまった。あるいは、余計な先入観や予備知識を持たなかったオカゲで最後まで飽きる事なく観賞できたともいえる。それより驚かされたのが、普通の中堅俳優だった、トマス・トライオンが書いた小説がここまでレベルが高いのには感心せずにいられない。まさに、感服の一言である。それはそうと、ごらんになられる映画ファンのために物語のあらすじは書きませんが、ちょこっとだけ説明すると、映画の舞台である、コネティカット州を背景に、一卵性双生児である、金髪の双子の少年二人が引き起こす不可解な恐怖とサスペンスを描いたスリリングなサイコ・スリラー恐怖劇で、二重人格と超能力=(テレパシー)をテーマにしており、じわりじわりと緊張感を増すミステリー仕立ての展開とセリフに頼らない不気味な心理描写にも震撼させられる。コネティカット州の小さな農村という、閉塞感漂う環境=(地方)の陰影な映像美も出色。眼を背けたくなるような残酷シーンは控え目ではあるが、この映画の主役といえる、金髪の一卵性双生児の少年二人が無邪気にショッキングな事件を重ねていく、戦慄の見せ場と異常な不条理には身の毛がよだつ。そして、現代社会の少年犯罪に通じる痛烈なる皮肉や諷刺的要素も込められている。大御所ジェリー・ゴールドスミスのエキセントリックな音楽も作風に大きく貢献。後味の悪い異様なクライマックスも印象深い。唯一の短所は、少し複雑な部分があり、納得しかねる矛盾点も見受けられるが、 これだけ着想が秀技で恐怖感を巧妙に盛り上げてくれる、状況設定に凝った上出来な一篇には滅多に出会えないので、ご褒美として☆1つ分をオマケする。祖母のエダを演じたのは、俳優育成に尽力した、ベテラン女優のユタ・ヘーゲン。監督は秀作『アラバマ物語』の才人、ロバート・マリガンが担当しております☆。