妄想代理人 BOX 【初回限定生産版】 [Blu-ray]
大量に存在するアニメの中で、流行に迎合せず独特の世界観を描き続けた監督の唯一のテレビアニメ作品。
オープニングのすがすがしすぎるほど不気味なメロディー及び本作の音楽担当は日本にプログレやテクノを広めた一人、平沢進氏。
作画は多くの日本人が知っているであろうアニメスタジオ・ジブリで活動し『もののけ姫』『紅の豚』などを担当した安藤氏。
一つの小さな出来事が次第に社会に感染していくストーリーを群像劇スタイルで作成しており、至るところで見受けられる『対話のすれ違い』が人の持つ孤独のリアリティを絶妙に表現している。
リアルとして始まり、非現実を受け入れられない社会が次第に受け入れ始め、最終的にまた日常に戻っていく全体の構成は卓越しており、子供向けではないものの、アニメを見ない人たちにも見てもらいたい作品。
オープニングのすがすがしすぎるほど不気味なメロディー及び本作の音楽担当は日本にプログレやテクノを広めた一人、平沢進氏。
作画は多くの日本人が知っているであろうアニメスタジオ・ジブリで活動し『もののけ姫』『紅の豚』などを担当した安藤氏。
一つの小さな出来事が次第に社会に感染していくストーリーを群像劇スタイルで作成しており、至るところで見受けられる『対話のすれ違い』が人の持つ孤独のリアリティを絶妙に表現している。
リアルとして始まり、非現実を受け入れられない社会が次第に受け入れ始め、最終的にまた日常に戻っていく全体の構成は卓越しており、子供向けではないものの、アニメを見ない人たちにも見てもらいたい作品。
映像のための音楽~平沢進サウンドトラックの世界
映像のための音楽というタイトルですが、平沢氏の曲はたいていBGMに向いていません
なぜならば生半可な映像では間違いなく平沢氏の曲に圧倒され飲み込まれてしまうからです
安易に平沢氏の曲をBGMに用いれば「音楽のおまけの映像」という表現をされかねないのですが
このアルバムの曲に対応した映像作品はこの巨大な曲達に負けぬ力があります
まずは今敏監督の作品をみて平沢氏の音楽に興味を持ったならば購入をお勧めいたします
なぜならば生半可な映像では間違いなく平沢氏の曲に圧倒され飲み込まれてしまうからです
安易に平沢氏の曲をBGMに用いれば「音楽のおまけの映像」という表現をされかねないのですが
このアルバムの曲に対応した映像作品はこの巨大な曲達に負けぬ力があります
まずは今敏監督の作品をみて平沢氏の音楽に興味を持ったならば購入をお勧めいたします
OPUS(オーパス)上(リュウコミックス) [コミック]
「PERFECT BLUE」や「千年女優」他、ほとんどの今敏作品の中で描かれてきた「虚構と現実」が入り交じった世界、「これぞ今敏の御家芸」というのを味わえる作品になってます。
また、あまり漫画では描かれてこなかった「漫画キャラクターが生きること」というテーマにも挑戦していたのではないかな、と感じました。
絵も流石に緻密で素晴らしく、キャラクター達も魅力的です。
まあでも、何より大事なのは「この漫画は面白い」ということですね。
これが今敏のOPUS(作品)です。
また、あまり漫画では描かれてこなかった「漫画キャラクターが生きること」というテーマにも挑戦していたのではないかな、と感じました。
絵も流石に緻密で素晴らしく、キャラクター達も魅力的です。
まあでも、何より大事なのは「この漫画は面白い」ということですね。
これが今敏のOPUS(作品)です。
妄想代理人 コンプリート DVD-BOX (13話, 325分) 今敏 アニメ [DVD] [Import]
今敏監督がお亡くなりになってちょうど1年めの8月24日に、今まで待ち望んでいたこの作品のBD-Boxがリリースされるのは、人生の幕を美しく華々しく引いてしまった監督のカーテンコールのようでもあり、タイミングを考えつくしてこの世に残した置き土産のようでもあり、また熱いものが胸に込み上げてきます。
あらかじめ用意されたお別れの挨拶を公式ブログでアップロードする前、今監督がツイッターに残した生前最後の言葉は、古さや古い価値観への憧れに関するものでした。自分は、偶然今監督が亡くなる数日前に今監督が呟いていらっしゃることを知ってフォローしていたのですが、遺言とは別に「古さ」に言及してブツ切りのように遺されたこの言葉はそれ以来ずっと気にかかっています。過ぎ去ってしまったもの、遠い昔に置き忘れてしまったもの、そういう過去にとらわれていては人間は前に進めないと良く言われていますが、今監督は本作品で、少年バット事件を追跡しているうちに自身の過去の迷路に迷い込んでしまった猪狩刑事に仮託して、それでもその過去にも「自分はいた」のであり、自分の過去を否定し捨て去ることは出来ないということを、ひょっとしたら語りたかったのはないかと、ツイッターの最後の言葉からはそんなことを考えさせられました。過去の肯定、自分が自分であることを受け入れること、それが今監督の『パーフェクト ブルー』から遺作の『パプリカ』を越えて、最後のご挨拶に至るまで一貫して送られていたメッセージだったような気がします。本作品は、たぶんそのメッセージをテレビアニメという形で多彩な人物に仮託して描いているわけですが、その底に据えられたメッセージはさまざまなギミックを施した『パプリカ』や『東京ゴッドファーザーズ』よりもストレートに訴えられているように感じられました。
今年の夏は、回顧展や東京国立近代美術館フィルムセンターで『パーフェクト ブルー』が上映されるなど、一周忌に相応しい盛り上がりを見せています。でも、できればもうひと押しして今監督が死の直前まで情熱を注いでいた『夢みる機械』も何とか日の目を見てほしいものです。未完成でも良いから、今監督の最後の情熱、最後の足跡を見ておきたいというのは、ファンの勝手なわがままかも知れませんが、いつか今監督の正真正銘の最後の作品が見られる日が来ることを願っています。
あらかじめ用意されたお別れの挨拶を公式ブログでアップロードする前、今監督がツイッターに残した生前最後の言葉は、古さや古い価値観への憧れに関するものでした。自分は、偶然今監督が亡くなる数日前に今監督が呟いていらっしゃることを知ってフォローしていたのですが、遺言とは別に「古さ」に言及してブツ切りのように遺されたこの言葉はそれ以来ずっと気にかかっています。過ぎ去ってしまったもの、遠い昔に置き忘れてしまったもの、そういう過去にとらわれていては人間は前に進めないと良く言われていますが、今監督は本作品で、少年バット事件を追跡しているうちに自身の過去の迷路に迷い込んでしまった猪狩刑事に仮託して、それでもその過去にも「自分はいた」のであり、自分の過去を否定し捨て去ることは出来ないということを、ひょっとしたら語りたかったのはないかと、ツイッターの最後の言葉からはそんなことを考えさせられました。過去の肯定、自分が自分であることを受け入れること、それが今監督の『パーフェクト ブルー』から遺作の『パプリカ』を越えて、最後のご挨拶に至るまで一貫して送られていたメッセージだったような気がします。本作品は、たぶんそのメッセージをテレビアニメという形で多彩な人物に仮託して描いているわけですが、その底に据えられたメッセージはさまざまなギミックを施した『パプリカ』や『東京ゴッドファーザーズ』よりもストレートに訴えられているように感じられました。
今年の夏は、回顧展や東京国立近代美術館フィルムセンターで『パーフェクト ブルー』が上映されるなど、一周忌に相応しい盛り上がりを見せています。でも、できればもうひと押しして今監督が死の直前まで情熱を注いでいた『夢みる機械』も何とか日の目を見てほしいものです。未完成でも良いから、今監督の最後の情熱、最後の足跡を見ておきたいというのは、ファンの勝手なわがままかも知れませんが、いつか今監督の正真正銘の最後の作品が見られる日が来ることを願っています。