ミステリー民俗学者 八雲樹 1 [DVD]
記念すべき(?)第1作目「天狗伝説殺人事件」が収録されています
トリック等について言うなら、さすが「金田一少年の事件簿」などを手がけた金成陽三郎が原作と言うだけあってよく出来たミステリードラマでした♪
誰も入ることができなかったはずの室内に忽然と出現した死体の密室トリックや、天狗汁に致死量いっぱいの農薬を混入させた方法など考えられています
密室トリックについては、このトリックを応用した参考書や問題集で勉強した経験がある人には分かり易いかもしれません(汗)かく言う私も使ってました!
農薬を入れる方法も、よくよく考えたらそれ以外ないですもんね…
密室トリックと農薬混入トリックが分かれば、その両方を実行可能な人物は一人しかいないので犯人当ても難しくないと思います
トリック等について言うなら、さすが「金田一少年の事件簿」などを手がけた金成陽三郎が原作と言うだけあってよく出来たミステリードラマでした♪
誰も入ることができなかったはずの室内に忽然と出現した死体の密室トリックや、天狗汁に致死量いっぱいの農薬を混入させた方法など考えられています
密室トリックについては、このトリックを応用した参考書や問題集で勉強した経験がある人には分かり易いかもしれません(汗)かく言う私も使ってました!
農薬を入れる方法も、よくよく考えたらそれ以外ないですもんね…
密室トリックと農薬混入トリックが分かれば、その両方を実行可能な人物は一人しかいないので犯人当ても難しくないと思います
忘れられた日本人 (岩波文庫)
私も佐野眞一氏の「内容が濃い」という推薦で手にしました。
本書には、明治から昭和のはじめにかけての農村の庶民が登場し、生い立ちや習俗を語っています。
特に印象に残ったのは、文字通り橋の下に住んで物乞いで暮らしている老人の生涯を聞き書きした「土佐源氏」という章です。
「夜這い」によって妊娠し、未婚の母の元で生まれた男は、祖父と祖母に育てられました。子守奉公する女の子といっしょに遊びながら、男は性の手ほどきも受けます。15歳で祖父を亡くし、ばくろう(牛の売り買い業者)親方に奉公することになり、20歳で親方が亡くなるまで牛の目利き修行にはげみます。
女出入りの多い親方は、ほうぼうの後家(未亡人)と関係していましたので、親方のばくろう仕事の後を継ぐと同時に、後家との関係も継ぐことになりました。
その後カタギの商売をするようになり、妻と世帯を持ってささやかな幸せを味わったこともありましたが、役人の妻と浮気をしたことをきっかけに、またばくろうに戻り、女あそびをする生活が復活しました。
50歳のころ、報いを受けるように目が見えなくなったとき、昔の妻のところへ行ってみたところ、「とうとう戻ってきたか」と泣いて喜びます。
それから30年。
妻が農家にあまりものをもらいにいき、男は橋の下の掘っ立て小屋で一日中じっとすわっている、という生活を続けてきました。
男は、最後に次のように語りました。
ああ、目の見えぬ30年は長うもあり、みじこうもあった。
かまうた女のことを思い出してのう。どの女もみなやさしい
ええ女じゃった。
聞き上手な宮本氏に促され、この「土佐源氏」のように、今まで誰にも話したことのない秘め事を打ち明ける人も出てきました。
宮本氏が聞き書きしなければ、知られることもなかった人々の物語です。
ときには古典もいかがでしょうか。
本書には、明治から昭和のはじめにかけての農村の庶民が登場し、生い立ちや習俗を語っています。
特に印象に残ったのは、文字通り橋の下に住んで物乞いで暮らしている老人の生涯を聞き書きした「土佐源氏」という章です。
「夜這い」によって妊娠し、未婚の母の元で生まれた男は、祖父と祖母に育てられました。子守奉公する女の子といっしょに遊びながら、男は性の手ほどきも受けます。15歳で祖父を亡くし、ばくろう(牛の売り買い業者)親方に奉公することになり、20歳で親方が亡くなるまで牛の目利き修行にはげみます。
女出入りの多い親方は、ほうぼうの後家(未亡人)と関係していましたので、親方のばくろう仕事の後を継ぐと同時に、後家との関係も継ぐことになりました。
その後カタギの商売をするようになり、妻と世帯を持ってささやかな幸せを味わったこともありましたが、役人の妻と浮気をしたことをきっかけに、またばくろうに戻り、女あそびをする生活が復活しました。
50歳のころ、報いを受けるように目が見えなくなったとき、昔の妻のところへ行ってみたところ、「とうとう戻ってきたか」と泣いて喜びます。
それから30年。
妻が農家にあまりものをもらいにいき、男は橋の下の掘っ立て小屋で一日中じっとすわっている、という生活を続けてきました。
男は、最後に次のように語りました。
ああ、目の見えぬ30年は長うもあり、みじこうもあった。
かまうた女のことを思い出してのう。どの女もみなやさしい
ええ女じゃった。
聞き上手な宮本氏に促され、この「土佐源氏」のように、今まで誰にも話したことのない秘め事を打ち明ける人も出てきました。
宮本氏が聞き書きしなければ、知られることもなかった人々の物語です。
ときには古典もいかがでしょうか。
民俗学の旅 (講談社学術文庫)
網野善彦の百姓は農民ばかりでない、漂流民は寺社の神人は寄人や供御人であるが、江戸時代には穢れは恐れるものから、排除するものに変わっていった
常民文化研究所の流れをくむ網野の上流には、宮本常一がいた
この本は自伝的エッセイであって民俗学研究の書籍ではないが、そのぶん気楽に楽しく読める
文中にはアチックミュージアム設立の澁澤敬三や柳田國男が登場する。
澁澤は日本銀行総裁を務めた男 またも農商務省の官僚であった
アイヌ語地名で有名な山田秀三も官僚だったなぁ
何故官僚が民俗学の黎明期を作ったのか疑問がわくが、経済的余裕があったこと、知的好奇心が強く、それが行動力に後支えされたこと、そして帝国大学という組織のネットワークがうまく作られたという要因からなるのであろう
宮本の民俗学を知るには 忘れられた日本人や 塩の道を読むとよいが
この本は一年の内何カ月も村や集落に行き聞き取りをしたことが述べられている
柳田や澁澤と異なるのは、農事政策、農業技術の情報収集とともに指導しながら各地を回っていることである
この指導力を買われて離島推進運動のロビー活動を国会議員相手にすることになる
民族学者、農林漁村生活史学者、生活改善運動者など、地域を知るうちにその生活を改善すべく政治家とかかわりを持つ
そして官僚とのコネをもち、資金援助されるという図式に至る
これ関係が必ずしも良いとは言い難いが、澁澤にいわれた「学者にはなるな」の言葉を守れば、こうならざるを得ないのかもしれない
この「民俗学の旅」は。宮本常一のヒストリーのあらましを知ることができ、次の一冊は何を読むかを決定されてくれ入門者には良い本である
また、農業指導はお気楽で気ままな旅ではないが、各地を回って聞き取り調査をした人生がうらやましい
いまや「とらわれ」てばかりの自分の生き方をすてて、旅に出たいっ!と思い出させてくれた本であるし
宮本の膨大な著作のいずれもが非常に魅力的であり、はまってしまいそうな予感がする
常民文化研究所の流れをくむ網野の上流には、宮本常一がいた
この本は自伝的エッセイであって民俗学研究の書籍ではないが、そのぶん気楽に楽しく読める
文中にはアチックミュージアム設立の澁澤敬三や柳田國男が登場する。
澁澤は日本銀行総裁を務めた男 またも農商務省の官僚であった
アイヌ語地名で有名な山田秀三も官僚だったなぁ
何故官僚が民俗学の黎明期を作ったのか疑問がわくが、経済的余裕があったこと、知的好奇心が強く、それが行動力に後支えされたこと、そして帝国大学という組織のネットワークがうまく作られたという要因からなるのであろう
宮本の民俗学を知るには 忘れられた日本人や 塩の道を読むとよいが
この本は一年の内何カ月も村や集落に行き聞き取りをしたことが述べられている
柳田や澁澤と異なるのは、農事政策、農業技術の情報収集とともに指導しながら各地を回っていることである
この指導力を買われて離島推進運動のロビー活動を国会議員相手にすることになる
民族学者、農林漁村生活史学者、生活改善運動者など、地域を知るうちにその生活を改善すべく政治家とかかわりを持つ
そして官僚とのコネをもち、資金援助されるという図式に至る
これ関係が必ずしも良いとは言い難いが、澁澤にいわれた「学者にはなるな」の言葉を守れば、こうならざるを得ないのかもしれない
この「民俗学の旅」は。宮本常一のヒストリーのあらましを知ることができ、次の一冊は何を読むかを決定されてくれ入門者には良い本である
また、農業指導はお気楽で気ままな旅ではないが、各地を回って聞き取り調査をした人生がうらやましい
いまや「とらわれ」てばかりの自分の生き方をすてて、旅に出たいっ!と思い出させてくれた本であるし
宮本の膨大な著作のいずれもが非常に魅力的であり、はまってしまいそうな予感がする
民俗学への招待 (ちくま新書 (064))
「民俗学」が入ったタイトルの本を初めて読みましたが、
身近なお正月やお盆の成り立ちを知ることで、民俗学への興味が高まりました。
普段何気なくやっていることもちゃんと意味があるんだなーと。
旅行に行くときも、その土地の文化や建物、街や農村など、
今まで気に留めていなかった、その土地の生活全般を見る、
という新しい旅の楽しみ方も教えてもらった気がします。
ただ、生活、祭り、器具という、ジャンルごとに順に語られているのではなく
それぞれの時候の行事等の由来を解説していくのですが、
その章ごとに少しずつ宗教や民間伝承について触れていくというスタイルなので、
体系的に学びたいというタイプの人(そういう人はそもそも専門書を読むんでしょうけど…)には、
向いていないかもしれません。
身近なお正月やお盆の成り立ちを知ることで、民俗学への興味が高まりました。
普段何気なくやっていることもちゃんと意味があるんだなーと。
旅行に行くときも、その土地の文化や建物、街や農村など、
今まで気に留めていなかった、その土地の生活全般を見る、
という新しい旅の楽しみ方も教えてもらった気がします。
ただ、生活、祭り、器具という、ジャンルごとに順に語られているのではなく
それぞれの時候の行事等の由来を解説していくのですが、
その章ごとに少しずつ宗教や民間伝承について触れていくというスタイルなので、
体系的に学びたいというタイプの人(そういう人はそもそも専門書を読むんでしょうけど…)には、
向いていないかもしれません。