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山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた
ノーベル賞の山中教授が、研究室のメンバーや家族への感謝の気持ち、iPS細胞研究について、率直に語った本。
やるかやらないかの選択を迫られたとき、やらなくて後悔するくらいなら、やってから後悔する。チャレンジをやめるとそこから先へ進むことは決してできないというメッセージに共感したそうで、アメリカから帰国して「うつ」になったとき、自己啓発本をたくさん読んで学んだことがいろいろあると述べている。
医師をめざすまでの話、神戸大学医学部時代の話、臨床医から基礎医学に進路変更した大阪市立大学大学院時代の話、大学院卒業後、博士研究員(ポスドク)として、たくさん応募した中でやっと採用してくれたグラッドストーン研究所での研究生活の話、その後、奈良先端科学技術大学院大学で、上に教授がいない唯一の助教授として採用された話。この大学院大学で、iPS細胞発見を支えてくれる仲間たちと出会うことになる。その後は、奈良先端大には医学部がないので京都大学再生医科学研究所に転職して、今回の発見に成功する。
24個まで絞った遺伝子から、初期化に必要な因子をどうやって見つけるか、24個から2個、24個から3個と選ぶ組み合わせは膨大なもので、ぜんぶ実験できない。そんなとき「24個全部入れて、1個ずつ除いて行ったらええんやないですか」と言ったのが、奈良先端大のときの学生で、一緒に京大に移ってくれた「高橋君」と書いている。「ほんまはこいつ賢いんちゃうか」と思ったという山中教授に、その優しさが伝わってくる。
「理論的に可能なことがわかったら、必ずできるようになる」と述べている。再生医療と新薬開発を実現させて、難病の患者たちを治したいという山中教授の熱い気持ちが、よく分かる本だと思う。
やるかやらないかの選択を迫られたとき、やらなくて後悔するくらいなら、やってから後悔する。チャレンジをやめるとそこから先へ進むことは決してできないというメッセージに共感したそうで、アメリカから帰国して「うつ」になったとき、自己啓発本をたくさん読んで学んだことがいろいろあると述べている。
医師をめざすまでの話、神戸大学医学部時代の話、臨床医から基礎医学に進路変更した大阪市立大学大学院時代の話、大学院卒業後、博士研究員(ポスドク)として、たくさん応募した中でやっと採用してくれたグラッドストーン研究所での研究生活の話、その後、奈良先端科学技術大学院大学で、上に教授がいない唯一の助教授として採用された話。この大学院大学で、iPS細胞発見を支えてくれる仲間たちと出会うことになる。その後は、奈良先端大には医学部がないので京都大学再生医科学研究所に転職して、今回の発見に成功する。
24個まで絞った遺伝子から、初期化に必要な因子をどうやって見つけるか、24個から2個、24個から3個と選ぶ組み合わせは膨大なもので、ぜんぶ実験できない。そんなとき「24個全部入れて、1個ずつ除いて行ったらええんやないですか」と言ったのが、奈良先端大のときの学生で、一緒に京大に移ってくれた「高橋君」と書いている。「ほんまはこいつ賢いんちゃうか」と思ったという山中教授に、その優しさが伝わってくる。
「理論的に可能なことがわかったら、必ずできるようになる」と述べている。再生医療と新薬開発を実現させて、難病の患者たちを治したいという山中教授の熱い気持ちが、よく分かる本だと思う。
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iPS細胞の世界-未来を拓く最先端生命科学- (B&Tブックス)
日経サイエンスが山中教授に取材した新書を読んだ。そこの一文が見開き二ページになった本、と言ったら良いだろうか。一般の人にもわかりやすく、マニュアルのようにホワイトスペースをたっぷり取り、図版も入れて説明した好著。
iPS細胞にかけられる期待の筆頭は、アルツハイマー病、糖尿病、パーキンソン病などの難病の多能性幹細胞による治療だ。材料やら特許やらいろいろ難しい問題があり、わからないこともたくさんあることが正直に書かれている。が、そのような問題にも人や組織を作って対処し、困難な道程に京都大学iPS細胞研究所の30弱のチームが取り組み、その現在の状況が項目別に整理され、わかりやすく書かれている。面白いし、技術の理解の役に立つ。
難病でこの技術に期待をかけている人はもちろん、iPS細胞技術に興味を持つすべての人にとってわかりやすい入門書だと思う。
ぜひ一読をお勧めする。
iPS細胞にかけられる期待の筆頭は、アルツハイマー病、糖尿病、パーキンソン病などの難病の多能性幹細胞による治療だ。材料やら特許やらいろいろ難しい問題があり、わからないこともたくさんあることが正直に書かれている。が、そのような問題にも人や組織を作って対処し、困難な道程に京都大学iPS細胞研究所の30弱のチームが取り組み、その現在の状況が項目別に整理され、わかりやすく書かれている。面白いし、技術の理解の役に立つ。
難病でこの技術に期待をかけている人はもちろん、iPS細胞技術に興味を持つすべての人にとってわかりやすい入門書だと思う。
ぜひ一読をお勧めする。