smile
09年のデビュー・アルバム「Dear」で、その独自の個性とパワフルな歌唱力が注目を集めたジャズ・シンガー、今岡友美さんが、ピアノ・トリオ「Dear Blues」と共演したジャズ・ボーカル・アルバム。個人的ベストは、アルバムのタイトルでチャーリー・チャップリンが作曲した名曲「Smile」。バラード調でじっくりと唄い、控えめな表現ながら深い情感のようなものが内部に秘められ人間的なあたたかみを感じます。幅広い表現力も魅力的で、ハード・バップの発展に力を尽くした名ピアニスト、ホレス・シルヴァーのファンキーなナンバー、「Nica's Dream」や「Jody Grind」をホットに歌い上げる一方、「I'm beginning to see the light」でのキュートな一面が興味をひきます。「This can't be love」では、ドラムとスキャットで歌い始めるなど余裕をみせています。ラストの「Natural woman」は、ヴォーカルとプレイヤーとの一体感が大きなポイント。ファンキーでブルージーな解釈、まさにこのメンバーの真骨頂が味わえます。