新・てんかんと私―ひびけ、とどけ!34人の声
前作『てんかんと私』(ぶどう社)の初版が刊行されたのが1985年11月、それから19年が過ぎて、新たに『新・てんかんと私』が刊行されました。前作同様てんかん患者本人と家族、すなわち当事者による「手記」によって構成されています。
長女が生後10ヶ月の時に「点頭てんかん」と診断された時、何より困ったのは、母親の私にてんかんに関する知識が皆無だったことです。担当の医師の説明を聞いても、理解が及ばない病状でした。ショックから立ち直る間もなく、むさぼるように「てんかん」に関する書籍を読みました。そんな中、最も心に沁み、励まされたのが前作『てんかんと私』でした。当事者の手記は、自分の身を絞るように綴られています。それは、新作も同様です。
患者や家族ですら、「てんかん」という病を受け入れ、向き合うまでに長い年月を要します。ましてや、当事者でない方が「てんかん」という病を理解することは容易ではないと感じます。だからこそ、私たち当事者が声をあげて、真実を綴らなくてはならないと思っています。
1章 てんかんとともに生きて
2章 てんかんの子の親として
3章 医療に望むこと
4章 教育・保育への問いかけ
5章 てんかんをもちながら働くこと
6章 結婚・出産・離婚の経験
7章 家族のきずな・社会とのつながりのなかで
全7章の中に綴られている患者の方々の声を、家族の声をぜひ聞いてください。
てんかん患者は100人に1人、日本国内に100万人といわれています。少数であるためか、てんかん患者を取り巻く社会状況は今も昔もほとんど変わっていないと言っても過言はありません。てんかんに対する知識や理解が進んでいないため、患者や家族は今も生きることに不条理を強いられています。
患者本人や家族がどんな思いを抱き、どんな援助を必要としているかを感じていただきたいと思います。この本を読んで「私に何ができるだろう」と問題意識を感じてくださる方が一人でもいらしたら、執筆者の一人として、喜びを感じます。
てんかんは、決して呪われた病ではありません。誰もが何らかの原因によってなり得る慢性疾患の一つです。「本人が罪を犯したからでも、両親が罪を犯したからでもない。神の業がこの人に現れるためである」(ヨハネによる福音書9章3節)という聖書の一節を信じます。てんかんを受け入れ、向き合うことによって新たな道が開けることを娘を通して教えられたました。執筆者の一人として、ためらいを感じつつ、てんかんと診断されて、絶望の中にいる方やご家族に一縷の希望を感じていただける一冊として、『新・てんかんと私』を推薦させていただきます。
長女が生後10ヶ月の時に「点頭てんかん」と診断された時、何より困ったのは、母親の私にてんかんに関する知識が皆無だったことです。担当の医師の説明を聞いても、理解が及ばない病状でした。ショックから立ち直る間もなく、むさぼるように「てんかん」に関する書籍を読みました。そんな中、最も心に沁み、励まされたのが前作『てんかんと私』でした。当事者の手記は、自分の身を絞るように綴られています。それは、新作も同様です。
患者や家族ですら、「てんかん」という病を受け入れ、向き合うまでに長い年月を要します。ましてや、当事者でない方が「てんかん」という病を理解することは容易ではないと感じます。だからこそ、私たち当事者が声をあげて、真実を綴らなくてはならないと思っています。
1章 てんかんとともに生きて
2章 てんかんの子の親として
3章 医療に望むこと
4章 教育・保育への問いかけ
5章 てんかんをもちながら働くこと
6章 結婚・出産・離婚の経験
7章 家族のきずな・社会とのつながりのなかで
全7章の中に綴られている患者の方々の声を、家族の声をぜひ聞いてください。
てんかん患者は100人に1人、日本国内に100万人といわれています。少数であるためか、てんかん患者を取り巻く社会状況は今も昔もほとんど変わっていないと言っても過言はありません。てんかんに対する知識や理解が進んでいないため、患者や家族は今も生きることに不条理を強いられています。
患者本人や家族がどんな思いを抱き、どんな援助を必要としているかを感じていただきたいと思います。この本を読んで「私に何ができるだろう」と問題意識を感じてくださる方が一人でもいらしたら、執筆者の一人として、喜びを感じます。
てんかんは、決して呪われた病ではありません。誰もが何らかの原因によってなり得る慢性疾患の一つです。「本人が罪を犯したからでも、両親が罪を犯したからでもない。神の業がこの人に現れるためである」(ヨハネによる福音書9章3節)という聖書の一節を信じます。てんかんを受け入れ、向き合うことによって新たな道が開けることを娘を通して教えられたました。執筆者の一人として、ためらいを感じつつ、てんかんと診断されて、絶望の中にいる方やご家族に一縷の希望を感じていただける一冊として、『新・てんかんと私』を推薦させていただきます。
知られざる万人の病てんかん (医学教養新書)
評価は星5つに格上げです.サイトの書評の変更作業がうまくいかないので,まだ星4つと表示されていますが.私は「てんかん専門医」です.初めて会った患者さんに「てんかんですね」と話すと,多くの患者さんがショックをうけます.実のところ,てんかんは,きちんと診断されて専門医に治療方針のアドバイスを受けていれば,それほど大騒ぎする疾患ではありません.病気の理解がきちんと得られることが幸せの鍵となります.でも多くのウエブサイトや専門書は,いたずらに患者さんの不安をかき立てるだけのものなのです.この本は,私が患者さんに最初に薦めている本です.内容は的確であり,患者さんや家族は元気が出ます.本当は抗てんかん薬を処方している専門医ではない医師に薦めたい本ですね.なにしろ,日本では現在,てんかんの患者さんの9割以上は,てんかんの専門医ではない医師に診療されていると推測されるからです.改訂版では,内容もより明快で,表紙も明るくなりました.患者さんや家族が,必ず元気になれる良書です!